普段はなかなか覗けないような有名な会社やお店の経営のヒントを得ることができる「視察」。しかし、ただうわべだけを見ているようでは何も得ることが出来ないのは当たり前の話です。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では、著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、あらかじめ知っておくべき「視察の心得」を記しています。
視察の心得
とあるメーカーの部長さんが、「先日A社へ視察に行ってきたんですよ」ということを仰られたので、「それで、どうでした?」って尋ねると、「いや~素晴らしかったです。活気が凄かったんですよ。うちももっと頑張らないと」。
「そうなんですね、どこがどう素晴らしかったのですか?」って尋ねなおすと、「ですから、とにかくみんな活き活きしてたんですよ」なんていう小学生でもいえるレベルの残念な感想が返ってくるだけでした。それを聞いて、「あ~もったいないな~」なんて思いました。
抽象的な感想しかいえないというのは、せっかく視察に行っても何も得られていないということです。その時間、コスト、ほんとに勿体無いことです。
たとえば、繁盛しているお店、行列のできるお店にはそれなりの理由があるものです。その理由を見出す為には、実際に足を運んで注意深く観察することも必要です。先述した部長さんのように表面的なところしか見ずに帰っては当然何も見つからず視察の意味がありません。
また、自分なりに「これだ」というものを見つけたとしても必ずしもそれは100%正解ではないということを理解しておくことも大切です。実際にそこで働いているスタッフ、店主すら「ほんとのところは…」と気がついていないこともあるのです。100%正解の答えなどありません。
視察とはそういうものです。