さて、肝心の花火の色である炎色反応とはなんでしょうか? 元素はエネルギーが高まると、余分なエネルギーを独特の波長の電磁波として放出します。これがスペクトルというもので、温度によって元素によって独特です。宇宙望遠鏡などで、人類が行ったことも無い星の構成成分が分かるのも、こうした光を分析し解析しています。
花火の美しい色も、この炎色反応によるものであると説明するのは理系人が理系人に見え、風情が無いと揶揄される象徴的なお話で打ち上がるたびに元素名をいちいち言うのは考え物です。
さて、「炎色反応」というもの。中高学校の化学では、金属を見分けるのに使う方法として紹介されていますが、実際は金属以外のあらゆる物質にスペクトル、つまり炎色反応が存在します。ただし、人間の知覚できる電磁波(可視光)は非常に幅が狭いので、コンピュータ解析上での色と我々が感じる色は別物です。そして我々が分かりやすく見える色と元素の組み合わせが炎色反応として知られているというわけです。そして温度によって色は変わるので、紫などの絶妙な色合いはまさにあわせの職人芸なのです(カリウムじゃないよw)。
ちなみに赤~ピンクに使われているのが炭酸ストロンチウム、緑色は硝酸バリウム、黄色は炭酸カルシウム、青は酸化銅と重曹、キラキラと白色に光るのは金属アルミニウム粉、金色はチタン系の何か……だそうです。
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