安倍演説が「大成功」の理由
北朝鮮問題に関しては、「二つの立場」があります。一つは、日米の立場。国連安保理で制裁を強化することで、北から妥協を引き出す。安倍さんの「圧力」ですね。
もう一つは、中国、ロシアの「対話」です。「平和を希求する日本人」は、「対話」が好きです(私も、「対話で解決できるなら、対話で解決した方がいい」と思います)。しかし、中ロが「対話」を要求するのは、「緩衝国家」北朝鮮を守りたいからなのです(つまり、国益)。
この「基本構図」を知ったうえで、安倍総理の演説を見てみましょう。これまで見たきたように、安倍総理は、
- 対話が無駄であることを、北問題の歴史を挙げ、説得力をもって解説した。
- 結果、国連安保理を通した「圧力強化」を求める日米の主張が力を増し、「対話」を求める中ロの主張が打撃を受けた。
- この問題は、「日米韓 対 北」というローカルな問題ではなく、「世界 対 北 の問題なのだ」という構図をつくりだした。
というわけで、安倍総理の国連演説は「大成功だった」といえるでしょう。
「消費税引き上げ」「残業代ゼロ」「3K外国人労働者大量受け入れ」など、いろいろ問題もありますが、「外交」「安全保障」で総理の右に出る人は、いまのところいません。
image by: 首相官邸