「五輪エンブレム撤回」新聞各紙はどう伝えたのか?

 

安倍政権のイメージダウン

【毎日】の解説記事は、他紙同様、撤回の経緯を追うもの。だが、責任問題と影響に焦点が合っている。会見で責任について問われた武藤事務総長は、「選んだのは審査委員会」「我々はデザインの専門知識を持っているわけではない」と繰り返したという。《毎日》の記者は「その言い回しは、総工費が高騰して白紙撤回した新国立競技場の混乱で政府などが繰り返した答弁に似ている」と批判。こんなことを繰り返していれば「国民の支持だけでなく、国際的な信用も失いかねない」とする。「相次ぐ五輪関係の失態は、安倍政権のイメージダウンにつながり、東京五輪への期待もしぼみかねない」とも。

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今回の撤回劇には様々説明がなされているが、「スポンサーの圧力が大きかった」という政府関係者の言葉はなるほどと思わせる。最高ランクで1社150億円も拠出しているのに、エンブレムには疑惑がまとわりついている。消費者からの苦情も多い、となれば、黙ってはいられない。途中まで使い通すかに見えたエンブレムについて、急転直下で撤回となったことも頷ける。しかし、そこはどうあれ、けじめだけはキチンと付けてもらいたい。同時に、このオリンピックの意義をもう一度考え直すべきではないのか。それを突き詰めると、福島の復興に熱心でなく、原発再稼働まっしぐらの安倍政権にはどだい無理な話ということにもなりかねないが。

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