質問だけで、気持ちは引き込まれる。
実際に質問されると、人はつい答えを出したくなります。
例えばですが
「1+1は?」
「好きな食べ物は何ですか?」
「僕のこと、どう思います?」
などのように言われると、ついつい「答え」を浮かべたくなりますね。
しかし、
「1+1は2だ!」
「僕の好きな食べ物はバナナだよ」
「僕は君のことを好きだ」
などのように言われたら「そ、そうですか」としか話しようがありません。
反応に困ったりすることもあるでしょう。
「主張」というのは、一見すごく強いメッセージに感じますが、実は相手の気持ちに届かない危険性も高いのです。
しかし「質問」をすれば、相手は間違っても悪い気持ちにはなりません。
もちろん、よっぽどヒドイ質問であれば別ですが、たいていの質問にたいしては、すんなりと考えをめぐらせ、会話を開いていきます。
特にその質問が、
「どんな価格で折り合いをつければいいと思いますか?」
などであれば、
「そうだなぁ、●●なら…」
というように、つい歩み寄って、考えを進めてしまいます。
少なくとも「買う」という方向に向かって会話が進んでいくわけです。
アドバイスは、さらに気持ちを開く。
ほかにもいい点があります。
人間というのは「アドバイス」を求められると、ついつい「いい気分」になるものなのです。
それは「あなたはアドバイスを求められるほど優れた人だ、尊敬される人だ」というメッセージにもなるからです。
しかも重ねて、質問によって、つい「答えたくなる」もの。
そして、その結果、アドバイスをすることによって、あとから
「どうしてあのとき、自分はアドバイスをしたのだろう…? あぁ、それだけ相手の今後を考えてあげているからだ」
というように、思考を変えていく可能性は高くなります。
逆にですが、あなたが誰かに
「君について、アドバイスをしてあげるよ。君は今後、こうした方がいいよ」
などのように言われたらどうでしょうか。
「何だこいつ、何もわかってないのに」
と思ってしまったりする可能性もあります。
すなわち人間
「アドバイスをされる」よりも「アドバイスをする」ほうが、ずっと嬉しいものなのです。
よって、とにかく「相手にアドバイスを求める」というのは有効な手段なのです。