もし「日中同盟」を結んだら日本の未来はどうなってしまうのか?

 

日中同盟でも、尖閣、沖縄は、中国領になる

日中同盟のようなことになると、尖閣諸島や沖縄は中国のものだとの主張もしなくなる
(Mさまのメールから)

これは、少しナイーブ過ぎるでしょう。私は、「日中同盟成立でも尖閣沖縄は中国領になる」と思います。何といっても、中国は「尖閣は、固有の領土である!」「日本に沖縄の領有権はない!」と宣言している。

フィリピンの例を見てみましょう。フィリピンと中国の間にも、「領土問題」があります。フィリピンは、力では勝てないので、仲裁裁判所に訴えを起こした。で、去年の7月に判決が出た。結果は、フィリピン大勝利、中国大敗北でした。

仲裁判断、中国外交に大打撃 習主席「一切受け入れない」

AFP=時事 7月13日(水)10時7分配信

 

【AFP=時事】オランダ・ハーグ(Hague)にある常設仲裁裁判所(PCA)が南シナ海(South China Sea)をめぐる中国の主張には法的根拠がないとの判断を示したことについて、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、一帯の島々は古来より中国の領土だとして、政府は今回の判断に基づくいかなる行動も受け入れないと述べた。国営の新華社(Xinhua)通信が伝えた。

フィリピンの訴えを受けた裁判で仲裁裁が12日に下した判断は、天然資源も豊富な南シナ海の支配に野心を燃やす中国にとって外交的な大打撃となった。中国政府は真っ向から拒絶しており、中国外務省は同日のうちに「判断は無効で何の拘束力もない」との声明を出した。新華社によると、中国の在オランダ大使は「きょうはハーグにとって『ブラックチューズデー(黒い火曜日)』になった」と批判。判断は「国際法を辱めた」とこき下ろした。

おかしいのは中国ではなく、仲裁裁判所だそうです。そして、中国は、この判決を「完無視」することにした。で、フィリピン、中国のケンカはどうなったの????? こちらです。

南シナ海問題、「中国を止められない」ドゥテルテ比大統領

AFP=時事 2017年3/19(日)21:43配信

 

【AFP=時事】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は19日、中国はあまりに強大であり、フィリピンや中国が領有権を争う南シナ海(South China Sea)のスカボロー礁(Scarborough Shoal)で中国が進めている構造物建設を止めることはできないと述べた。

どうしてこういう発言になったのでしょうか?

2012年から中国が実効支配するスカボロー礁に関しては、西沙諸島(英語名:パラセル諸島、Paracel Islands)の永興(Yongxing)島(英語名:ウッディー島、Woody Island)に中国が設立した三沙(Sansha)市の市長が、環境モニタリング基地を建設すると語ったと伝えられている。
(同上)

三沙市というのは、2012年にできた新しい「市」です。その市長が、「環境モニタリング基地を建設する」と語った。記者会見でこの発言について質問されたドゥテルテさんは、こう言いました。

われわれは中国を止めることはできない

「私にどうしろというのか。中国に宣戦布告をしろとでも。それはできない。(中国と交戦すればわが国は明日にも全ての軍隊と警察を失い破壊された国となるだろう」

事実上の「敗北宣言」です。どうですか、これ? フィリピンは、仲裁裁判所で勝ったにも関わらず、領土を奪われた。しかも、ドゥテルテさんは、Mさんが主張するように、「アメリカを捨てて中国に走った」のです。それでも、結局領土は失いました

こういう例もあるので、「日中同盟なら尖閣沖縄は安泰とはならないでしょう。むしろ、「日中同盟の話は、尖閣、沖縄をわが国(中国)に返してからだ!」などと無茶な要求をされる可能性が高いと思います。

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