「ゲームを楽しむため」という目的に特化したゲーミングPCを売る会社は数多くありますが、専門家以上の知識をもつユーザーも多く、他社と差別化を図るのも簡単ではありません。そんな中、ゲームユーザーのニーズをとことん追求し、急伸しているのが「ガリレアラウンジ」です。同社の強みを、無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者でMBAホルダーの青山烈士さんが詳細に分析しています。
売り方で差別化
受注生産PCの販売を手掛ける「ドスパラ」が手掛けるゲーミングPCに特化したPCショップ「ガレリアラウンジ」にフォーカスをあてます。
● ガレリアラウンジ
ちなみに、ドスパラにて展開しているゲーミングPCブランドが「GALLERIA(ガレリア)」シリーズです。
戦略ショートストーリー
ゲームの環境にこだわる方をターゲットに「老舗のパソコン専門店『ドスパラ』で培った豊富な知識と経験」に支えられた「見て」「触れて」「試せる」等の強みで差別化しています。
豊富に揃えたゲーミングPCやデバイスを「見て」「触れて」「試せる」&「相談できる」ことに徹底的にこだわることで、顧客から支持を得ています。
分析のポイント
売り方で差別化
ゲーミングPCの人気ブランドであるGALLERIA(ガレリア)ですがマウスの「G-Tune」シリーズやパソコン工房の「LEVEL∞」シリーズ、デルの「ALIENWARE」シリーズ、他にも多くのライバルが存在します。
各社は、性能や価格、デザイン、サポートなどで差別化を図っていますが、ユーザーから見て、差が見えにくく、自分に合ったPCを選ぶのは難しい状況であるようです。このように売り物での差別化が難しい状況の中で、重要になるのが、売り方での差別化です。
「ガレリアラウンジ」での売り方を見てみますと、豊富に揃えたゲーミングデバイスの試用やゲームの試遊など、試すことに非常にこだわっていることがわかります。
そして、ゲーミングPCなどの商品単体で売るというよりはPCとその周辺機器などを総合的にとらえて、ゲームを楽しむ環境を売っているという印象です。この売り方が、ユーザーの求めることに応えることにつながっています。実際に体験することで、自分に合ったものを探しやすくなりますし、ユーザーが欲しいのは、ストレスなくゲームを楽しめる環境ですからね。
さらに、自分に合ったPCやデバイスをプロゲーマーの方がプロの視点からアドバイスをしてくれますので、顧客にとっては必要なモノがわかるため、顧客を迷わせないことにもつながります。
こういった売り方は、簡単には、真似ができません。例えば、多くの店舗を抱えている企業にとっては、各店にプロゲーマーを勤務させることは困難ですし、店舗を持たない企業にとっては、様々なもの試す環境を提供するのは難しいですからね。
まさに、PCブランド「ガレリア」が差別化を実現するために「ガレリアラウンジ」が存在しているといえるでしょう。「ガレリアラウンジ」が売り方そのものということです。
ゲーミングPCや周辺機器の市場規模は拡大傾向のようですので、今後、「ガレリア」が市場において、どのような存在になっていくのか「ガレリアラウンジ」がどのような進化を遂げるのか非常に楽しみです。









