タクシー運転手の「トイレ」すら許さない、理不尽な駐車禁止の実態

 

吉田:取り締まった警察官は戻ってきてなかったので交通係か何かに事の顛末を全部話しても結局「違反は違反ですから」とピシャリ。父親としては納得行かず「じゃあ都内でタクシー流している運転手は全員トイレにも行くなってことなのかよ!警察はそこまで容赦なく取り締まる機関なのか?じゃあアンタがトイレ限界になったらどうするんだよ?こっちがタクシーだからってナメんじゃないよ!」などと大暴れ。すると部長クラスのお偉いさんまでもがやってきて、最終的にタクシー会社へ連絡されてしまい、「取りあえず戻ってきなさい」ということになり、警察署を後にしたんです。

Kさん:生理現象は止められないわけで、それでも駐車違反で取り締まる警察側に私も疑問を感じてますよ。お父様のおっしゃるように警察官はタクシーの運転手を見下している感が常にありますからこういう事案は断固戦うべきですね。

吉田:タクシー会社側は父親が出て行ってしまったら再び大暴れしてしまうと想定したらしく、事故処理などの交渉係みたいな方がその警察署へ菓子折り持参で翌日足を運んだそうなんです。父親が大暴れしたことを謝罪すると共に、駐車違反をなんとか取り下げてもらえないかと、菓子折り以外にビール券を2万円分包んで部長に交渉したら全て受け取ってもらい、駐車違反の青キップはまだ未処理だったことから取り下げることに成功したと。つまり、交渉次第では警察って賄賂が通じるんだなって、当時僕は目の当たりにしました。

Kさん:それは良い話ですね。交渉役を務めた方の手腕が光ります!

吉田:が、父親は警察側へ謝罪するタクシー会社の方針に納得が行かず、それから3ヶ月後に退職してしまい、別のタクシー会社へ移籍という結末になりましたが(苦笑)。

Kさん:えええええ!お父様はパンクな精神がおありなんですね(笑)。

吉田:うーん、ただの猪突猛進タイプな性格だっただけのような気が……。

Kさん:賄賂と言えば、私が勤めているタクシー会社でも似たような事案がありました。やっぱりトイレが関わってくる案件なんですけども、新宿中央公園の周囲はパーキングメーターも沢山あったりして、タクシー運転手は休憩するのに丁度良い場所なんですね。私の仲の良い同僚のエピソードなんですが、7~8年ぐらい前のことだったと思いますが、タクシー車内でコンビニ弁当を食べ終えた後にトイレへ行くのに、タクシーをパーキングメーター枠内に止めたまま放置したんです。その枠内で小一時間休憩しようとしていたそうで、トイレから戻ってきたら駐車違反のステッカーを駐車監視員から貼られていたと。トイレ行っている間は10分強だったらしく、その間にステッカーを貼られたみたいで、他のパーキングメーター枠内に止めているクルマは取り締まってないのに差別だろと。同僚のタクシーはパーキングメーター枠内に止めていて駐車違反にされた際のメーター表示は……確か50分とかそれぐらいだったと思います。他のクルマは誰か人が乗っていたことで駐車違反にされていなかったようで、そのことにも同僚は立腹。そして所轄の警察署へ出向き、ケータイでその場の写真を撮影したものを見せて説明

吉田:僕の父親のように大暴れはしてないんですねぇ(笑)。

Kさん:それはなかったみたいです(笑)。今考えてみると吉田さんが暴いた59分まで無料で使えるパーキングメーター攻略が活用できていましたから、駐車監視員側のあきらかにミステイクで駐車違反のステッカーを貼られただけですよね。

吉田:確かにそうですね。メーターが50分だったというのならば駐車違反にするのはおかしいです。その証拠写真も警察署で見せているのにそこを警察官が言及してこないっていうのは腹が立ちますなぁ。まぁ、百歩譲ってパーキングメーター59分無料という方法がその当時には浸透していなかったことを置いておいても、相変わらずトイレでタクシーから離れた隙に駐車違反にするっていう行為は”取り締まるための取り締まり”な気がして、国家公務員の越権行為かと思いますね。

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