~村上龍の編集後記~
母もデイサービスに通っている。だから、「たんぽぽ」が、多様なサービスを通じ、徹底して、利用者の側に立っているのがよくわかる。
だが、筒井さんの半生は、「たんぽぽ」というほのぼのとした名称からは想像できない、激烈なものだ。過酷な幼少期、中卒後、職業を転々としたが、なぜか笑顔を忘れなかった。
言うまでもなく、「介護」の本質は、ヒューマニズムだ。だが、それは経済合理性と、人の喜びや悲しみへの想像力がなければならない。
同情ではなく共生、筒井さんの強い意志によって、「たんぽぽ」全体に、笑顔が生まれる。
<出演者略歴>
筒井健一郎(つつい・けんいちろう)1948年、大分県生まれ。中学卒業後、愛知県で働く。1983年、運送会社設立。2000年、たんぽぽ介護センター開設。
source:テレビ東京「カンブリア宮殿」