安倍総理はなぜ、アメリカと反対の行動をとっても許されるのか?

 

アメリカに逆らって、なおアメリカと良好な関係を保つ

戦後の歴史を見ると、「アメリカに逆らった首相」は、いました。代表的なのは、田中角栄さんですね。この方は、アメリカより先に、中国との国交を回復した。それで、キッシンジャーは、「ジャップは最悪の裏切り者!」と激怒した。

もう一人代表的な人をあげるとすれば、鳩山由紀夫さんでしょう。この方は、日米関係を、見事にぶちこわしました。鳩山政権の黒幕だった小沢さんは、北京で「私は、人民解放軍の野戦軍司令官であ~る!」と宣言しています。彼らは、アメリカに逆らいアメリカにやられました

ところが安倍さんは、重要問題でことごとくアメリカに逆らっているにも関わらず、オバマさんともトランプさんとも、いい関係を築いています。それどころか、オバマさんともトランプさんとも親友」と呼べるような立場になっている。なぜそんなことが可能なのか?

たとえば、安倍総理は2015年4月、「希望の同盟演説」をしました。この時アメリカは、「AIIB事件」で日本以外のすべての親米諸国に裏切られ、意気消沈していたのです。ところが安倍総理がやってきて、「アメリカは世界の希望です!」と言った。それで、オバマさんは喜んで、「歴史的な訪問に感謝する! 日米関係がこれほど強固だったことはかつてなかった!」とツイートした。

また、安倍さんは、トランプさんが大統領に就任する前、彼に会っています。当時、世界中(特に欧州)の指導者が、「嗚呼、変な奴がアメリカ大統領になった! どうしよう!」とオロオロしていた。しかし、安倍さんは、フットワーク軽くトランプさんに会いに行き彼のイメージアップに貢献しました。要するに、安倍総理は、オバマさんやトランプさんから信頼される言動をしているということです。それで、アメリカと違う行動をとっても叩かれないし、かなりの自由度を得ている。

というわけで、安倍総理が「アメリカの言いなり」というのは、まったく事実と異なります

image by: 安倍晋三 - Home | Facebook

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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