吉田:一部始終見てない警察官だったんですね。それは運が悪いどころか物申さないとダメな状況じゃないですか。
Kさん:ええ。物申したのはお客さん、つまり大物俳優の方だったんですよ。
吉田:なんと!別に出しゃばらくてもいいのに、その俳優さんは義侠心なのかその方の正義なのか分かりませんが物言いするのは凄いですねぇ。
Kさん:いくら酔っぱらっていたといってもまさかの展開に、まだタクシー乗り始めて2年も経過してない私からすると、驚きのあまり言葉を失うほどでした。
吉田:それにして勇気ある俳優さんですねぇ。豪気な役者さんっぽいですが、Kさんを助けようとしたわけですし、それなりに警察への不満もあったんじゃないですか?
Kさん:その俳優さんは昔、日本テレビのドラマで刑事役を演っていたとは言ってましたが、不満があったとかは伺ってなかったです(苦笑)。
吉田:で、警察官と俳優さんはどんなバトルになったんですか?
Kさん:「あんたさ、尻もちついているからって一方的にタクシーの運ちゃんを加害者にすんじゃないよ!赤信号を走って渡ろうとしてビックリして尻もちしてたんじゃねーか。一体どこに目をつけてるんだよ!」と、私が言いたかったことを全て代弁してくれました。
警察官のほうは「私は運転手さんに交通違反のペナルティーを与えねばなりませんので第三者の弁護は不要ですから…」と言った瞬間、警察官の表情が変わったんです。
吉田:え?それは何故ですか?
Kさん:警察官はお客さんの顔をハッキリと見た瞬間、日本を代表する大物俳優と分かり、一瞬動きが止まったんですよ(笑)。警察官が動きを止めてもその俳優さんは「言い掛かりつけんのは止めなさい」「瞬間的な部分しか状況を見ずに交通違反とは言語道断」など説教を始めてくれたんです。
吉田:さすが大物俳優さんだ(笑)。
Kさん:凄くカッコ良かったですよー、俳優さん。まさかお客さんに助けてもらえるとは思わず、警察官も誰が見ても”あの俳優”さんだって見た目で分かる人でしたので、自分の非を認めてくれて交通違反にはなりませんでした。
吉田:そもそも交通違反じゃないですけどね(苦笑)。横断歩道の信号が赤になって強引に無視して渡ろうとした酔っ払いの方に責任がありますし、酔っているから覚えてないと言われたとしても、酔っ払って記憶がなくなるほど酒を飲んでしまう側の自制心を失ったダラしない箇所へ責任能力が生じますから、裁判になったとしたら絶対負けませんよ~。