ケトン体ダイエットの臨床効果
ケトン体ダイエットでは、最初の2週間で4キロもの体重減少を認めることがあります。これは、ケトン体が尿中に排泄されやすいために、利尿効果を持つためとされています。それに加えて、体が脂肪分解モードに入ることと、ケトン体そのものに食欲抑制作用があるために、さらに体重が落ちていきます。
ケトン体ダイエットは2型糖尿病の食事療法としても注目されています。この食事療法では、インスリン感受性が良くなるので、減量ができてヘモグロビンA1Cが改善するだけでなく、必要とする薬の量も減っていきます。また、血糖だけでなく、血圧、内臓脂肪の量、中性脂肪値を下げる効果があります。LDLコレステロールが上昇する人がいますが、動物性脂肪ではなく植物性脂肪を主体とするメニューに切り替えることでそれを防ぐことができます。
しかしながら、注意すべきは、ケトン体ダイエットにも副作用があることです。ケトン体の利尿作用で、水分と電解質が喪失することがあります。予防には、水分とカリウムやマグネシウムを十分に摂取することが勧められます。
また、薬を内服中の糖尿病の患者さんの場合には、この食事療法によって低血糖が起こるリスクがあります。糖尿病や高血圧などの病気を持つ方で、この食事療法を導入したい場合には、前もって担当医や栄養士とよく相談してみましょう。
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