習近平独裁の確立、軍事費8.1%増―中国全人代開幕で見えたもの

 

試されるのは外交手腕

【毎日】は1面の中央と3面の解説記事「クローズアップ」。6面と9面に関連記事。見出しから。

1面

  • 中国国防費伸び拡大
  • 全人代開会 成長目標は据え置き

3面

  • 全人代開会 「習氏が核心」徹底
  • 「主席任期撤廃」提案
  • 中国社会に波紋
  • 経済 量から質へ

6面

  • 「保護貿易に反対」強調
  • 全人代 米政権を強く意識

9面

  • 中国「強軍の道歩む」
  • 国防費増 米は危機感
  • 全人代開会

uttiiの眼

特に強調されているのは、貿易問題。李克強首相による政府活動報告は、「鉄鋼・アルミニウムの輸入規制など通商分野で強硬姿勢を見せる米トランプ政権を強く意識した内容だった」とする。李首相が「国際ルールに基づく解決」を繰り返し強調したのは、「国内法に基づく制裁措置をちらつかせるトランプ政権が念頭にあるのは明白だ」とする。とはいえ、米国は主要な貿易相手であり、「トランプ政権に対する配慮も随所ににじませた」として、国際的な批判を浴びている鉄鋼の過剰生産については「年間3,000万トン前後の生産設備を削減する」と表明、自動車などの関税引き下げに加え、金融分野の市場開放にも言及したと。

他方、トランプ政権は今週中にも輸入制限を正式決定し、さらに知的財産権巡る調査も開始するという。中国は莫大な制裁金を課せられる可能性がある。中国側も、全人代直前に、習近平氏の経済ブレーンである劉鶴氏を渡米させ米通商代表部に対立回避を迫ったという。まもなく経済担当の副首相に就くと見られている劉氏を中心に、対米通商交渉が行われる見通しだという。

《毎日》は、習近平氏の国内基盤は着々と固められつつあるが、「対米関係をいかに乗り切れるかが今年最大の課題だ」として、外交手腕が試されるとしている

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