学校側の答え
担任は「ごもっとも」と答えつつ、「学校教員の実務として、『いじめの定義』とか『いじめ解消の定義』を一々守っていたら、いつまで経っても何も終わらないと話し、文科省のお偉いさんは、現場を知らんのです」と言い放った。
教員の忙しさはわかるが、それを言ってしまっては、話にならないので、後日、学校長と話すことを約束し、電話を切った。
その翌日、保護者からの連絡によれば、担任教員が突然自宅にあらわれ、玄関で土下座をしようとしたそうだ。たまたま家にいた父親が土下座をさせず、家にあげると、泣きながら、校長には何も言わないで欲しいとお願いされたそうだ。
だが、すでに意見書を私は発送していたし、保護者は被害生徒のいじめがどのように学校から教育委員会に報告されていたか行政に対して開示請求をしている。私の意見書は、NPO法人ユース・ガーディアンとして、学校長と教育長、教育委員会指導課課長、被害者(保護者)に同時発送されるもので、担任教員に伝えたことを中心に、予防教育の徹底といじめ防止基本方針の見直しと再確認、被害生徒が安心して通学できるようにするために具体的な計画が記されている。
結果的に
結果的に教育委員会は、越境を認め、被害生徒が転校するにあたり、時期を待つ間にカウンセリングや学習サポート(支援)を行うことになった。
なんだ転校ならさっさとすればいいじゃないか! と思う方もいるかもしれないが、ここまでしても越境をすぐに認める教育委員会は少ないし、受け入れ校を探すのも大変なのだ。
それにしても、「いじめ解消の定義」があまりに知っている人が少な過ぎて、話し合いの際に説明しなければならないことが多過ぎる。まずは、いじめの定義と同時に「いじめ解消の定義」の周知徹底をやっていただきたい。
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