次の戦略
今の私には、二つの方法が考えられます。一つは、アマゾンのように画期的な戦略をとることです。もう一つは、アマゾンの弱点を突くことです。
画期的な戦略というのは、今は世にないサービスや方法を考え実行していくことです。アマゾン・ゴーやダッシュボタンのようなアイデアですね。現在はない方法ですから、私には具体的に思いつきません。そのカギは、会社の「理念」の中にあるような気がします。
そして、もう一つのアマゾンの弱点を突く方法です。アマゾンに、弱点はあるのでしょうか。考えてみましょう。
実は、アマゾンは、「顧客優先」と言っています。そして、よく見てみると、そのための一番の戦略は「低価格」ということにしかすぎません。だから、多くの業界がやられてしまうのです。
しかし、それは本当の意味での「顧客優先」だとは思えません。アマゾンが持つ顧客データは、所詮デジタルなものです。無機質なものです。ここに弱点があります。なぜなら、本当の「顧客」とは、もっと生身なものだと思うからです。
つまり、「顧客」には「心」や「感情」があります。アマゾンを見ていると、人間をロボットのようにしか考えていない気がするのです。人間は、プログラムで操作できるものではありません。ここに、アマゾンの弱点がある気がします。
ですから、アマゾンは、どんなに頑張っても人が行うような接客はできないでしょう。どんなに頑張っても、人と人との絆を強くする行為はできないでしょう。例をあげれば、岡山のスーパー「ハローデイ」のようにわくわくする売り場づくりや、お客様とのつながりを持つことはできません。また、東京町田の電気店「でんかのヤマグチ」のように地域の人たちと交わることはできません。
ここから言えることは、大手スポーツ店がとるべき戦略の一つは、人と人との「つながり」です。また、仮にアマゾンへの対抗を考えていないとしてもこれは必要な戦略なのではないでしょうか。
その点、あなたのお店は大丈夫です。優れた接客力があります。地域の人たちとの交流も盛んです。人と人とのつながりは、アマゾンといえども手を出せませんから。
■今日のツボ■
- 大手スポーツ店が、業態変換、EC強化など手を打ちはじめた。
- アマゾンに対しては、その弱点を攻めることである。
- 取るべき戦略は、人と人との「つながり」である。
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