実はこの話、実際にあった話です。
あるお客様が、お店にいらっしゃって、自分が履いている靴と全く同じ靴を見ていました。販売員は買い替えだろうとは思ったものの、詳しく話を聞いてみると、今履いている靴は、奥さんと旅行に行った時に買った思い出の靴だったのです。古くなってしまってもう履けなくなってきたものの、どうしてもその靴が好きで、同じものを探して、見にきたということでした。
その話を聞いた販売員は、とても共感してくれて、決して安くはない、まったく同じ靴を買おうとする背中を押してくれたんですね。以来、そのお客様は、靴が古くなる度に、何度もその靴を買いに、同じ店に通っているのです。
お客様が使ってきた商品には、そのお客様しか知らない思い出があったりします。特に思い入れのないものももちろんあるでしょうが、中には、特別な思い出のあるものも存在するのです。そんな話を聞いてくれて、共感してくれる販売員に出会うことは、お客様にとって、とても貴重なことでもあります。
販売員は、未来の話ばかりをしがちですが、それだけでは、お客様が本当に抱えている気持ちを知ることはできないかもしれません。お客様が使ってきた商品に関する話を聞くためには、どんな質問をすべきでしょうか? そこにお客様の心を掴むポイントがあるかもしれません。
今日のおさらいです。
- お客様が使ってきた商品(モノ)に関する思い出を聞いてみる。
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