「鳥獣戯画」の高山寺で知られざる国宝を愛でに、新緑の京都へ

 

石水院を出て、境内奥の右手にひときわ高い明恵上人の御廟があります。御廟の前に居並ぶ宝篋印塔(ほうきょういんとう)は鎌倉時代のもので、国内では一番古い時代のものとされています。

また高山寺の国宝で最も有名なのは鳥獣戯画でしょう。日本美術の中でも最もミステリアスだと言われる謎の多い国宝です。約800年前に描かれたとされていて、漫画の発祥といわれる絵巻物です。この作品は作者が分かっていません。ただ、寺(高山寺)に所蔵されていた事から、絵仏師だとする説が有力視されているようです。画材は動物が人間のように生き生きと描かれています。うさぎとカエルが相撲をとっている絵は有名ですよね。鳥獣戯画の正式名は鳥獣人物戯画で、全四巻あって、実は人間も多く描かれています

広い境内には明恵上人の坐像が安置されている開山堂があります。また金堂には堂内に本尊の釈迦如来像が安置されています。

石水院の向かいには日本最古の茶畑があります。この茶畑は、鎌倉時代、栄西から明恵上人に贈られた茶に由来しています。高山寺の境内に日本最古の茶畑があることはあまり知られてはいないのではないでしょうか?

この時期は晴れていると真夏のように暑くなります。そんな日には是非新緑を見に涼しく古刹巡りはいかがでしょう。新緑を愛で、初夏ならではの雰囲気をいにしえの歴史の中で感じてみて下さい。

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: 京都フリー写真素材集

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