なぜ、自民党政権が進める「カジノ計画」は根本的にダメなのか?

 

ですから、とにかく都市型をやるべきです。日本の政治家の多くがシンガポールのMBSマリーナベイ・サンズを見学して「あのようなIRがやりたい」と「IR推進派」になっているわけですが、あのMBSが典型であるように、都市型IRの収益の柱というのは国際会議です。そのノウハウを磨いて、その時々の旬の話題で世界中からビジネスの基幹人材を集め人脈作りに利用してもらう、それが都市型IRです。

会議はもちろん有料で、1人4千ドルとか6千ドルという参加料を取り、しかも豪華な宿泊や料飲部門にお金を落としてもらえば、セットで1人が1回の滞在で1万ドル落とす、そういうビジネスです。では、カジノはどうしてそこにあるのかというと、一つは会議のおまけ」としてリラックスしてもらうとか、家族帯同(日本の財界人には分からないカルチャーかもしれませんが)で楽しむためです。

ですから、ギャンブルにのめり込むのではなく、カジノはあくまで「ちょっとしたお遊び」という範囲です。ただし、カネを持っている人がメインなので、それでも相当なカネが落ちるというビジネスモデルです。

そっちを研究しないで、とにかく「日本経済にプラスだからとリゾート型IRに走るのでは、結局はGDPはそんなにプラスにはならないと思うのです。

image by: tsxmax / Shutterstock.com

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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