ですから、とにかく都市型をやるべきです。日本の政治家の多くがシンガポールのMBS(マリーナベイ・サンズ)を見学して「あのようなIRがやりたい」と「IR推進派」になっているわけですが、あのMBSが典型であるように、都市型IRの収益の柱というのは国際会議です。そのノウハウを磨いて、その時々の旬の話題で世界中からビジネスの基幹人材を集め、人脈作りに利用してもらう、それが都市型IRです。
会議はもちろん有料で、1人4千ドルとか6千ドルという参加料を取り、しかも豪華な宿泊や料飲部門にお金を落としてもらえば、セットで1人が1回の滞在で1万ドル落とす、そういうビジネスです。では、カジノはどうしてそこにあるのかというと、一つは会議の「おまけ」としてリラックスしてもらうとか、家族帯同(日本の財界人には分からないカルチャーかもしれませんが)で楽しむためです。
ですから、ギャンブルにのめり込むのではなく、カジノはあくまで「ちょっとしたお遊び」という範囲です。ただし、カネを持っている人がメインなので、それでも相当なカネが落ちるというビジネスモデルです。
そっちを研究しないで、とにかく「日本経済にプラス」だからとリゾート型IRに走るのでは、結局はGDPはそんなにプラスにはならないと思うのです。
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