我が子にできないことがあると、わかっていてもついイラっとしてしまう──。そんな経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『育児に成功する【楽しい子育て絵本講座】』では著者の山口理加さんが、子どもの苦手意識を取り除き、自信をつけさせる方法を学べる絵本を紹介しています。
黙ってそばで見守る大切さを教えてくれる絵本
こんにちは、子育て絵本アドバイザーの山口理加です。
本屋さんで何気なく手に取って、立ち読みで号泣してしまい、購入した絵本を紹介します。
リサ・パップ 作菊田まりこ 訳/WAVE出版
内容紹介
本を読むことが苦手な子は、今やどの学校でも必ず推進している音読の時間がどんなにこわいだろうと思います。教師や同級生から読み間違いを指摘されたり、笑われたり……きっと一生、本を読むことが嫌いになるでしょうし、自信を失ってしまうでしょう。
この絵本で、マデリーンは犬のおかげで、諦めずに前に進む勇気をもらいます。間違えても大丈夫なんだと、犬に教えてもらって納得していくマデリーンの姿から、読者の子どもたちもきっと勇気と自分を信じる心をもらえるはずです。
実際に、アメリカをはじめ、ヨーロッパの国の図書館には、子どもが本を読むのをきいてくれる犬たちがいます。犬は音読をじっときいて、子どもがつかえたときには、顔をなめたり、鼻をこすりつけたりして、やさしくはげますのだそう。もちろん、子どもを批判したりはしません。そのおかげで、子どもたちは次第に読書を楽しめるようになって、リテラシーの向上につながっているといいます。
犬たちが子どもに寄り添う、この姿勢から、私たち大人が学ぶこともたくさんありそうです。(Amazonより)
子育てワンポイントアドバイス
子どもは、ささやかなお楽しみを、私達が思っているよりも心から喜びます。例えば、
- できたときのご褒美シール
- 親などの好きな人がそばにいること
温かい眼差しで見つめてもらうこと - 「見て見て!」と言った時に親や先生がすぐに認めてくれること
- 抱っこやハグやハイタッチなどのスキンシップ
など…。
でも、私達親は、子どもたちが努力をしている時に、このように過ごすことを軽く考えてしまいがちですよね。また、子どもがうまくできないことがあると、「なんでできないのだろう?」と悩んだり、子どもにイラっとしたりしてしまうこともあるようです。
私達大人だって、嫌いなことや不得意なことがあるのですから、子どもなら、苦手なことがあって、当たり前ですよね。
だから、練習が必要です。そして、練習の時は、上手くできないのが当たり前です。だから、黙って寄り添い、見守ることが重要です。でも、「わかっているけど、なかなかできません」と言う人も多いのではないでしょうか。
『わたしのそばできいていて』は、本の音読がとても苦手な主人公のマディが、図書館で犬のボニーに寄り添ってもらい、音読の練習を続けることを描いた絵本です。間違えても黙って聞いてくれる犬のボニー。マディは、本を音読することが楽しくなりました。
そして、学校で皆の前で読むことができるようになりました。マディは、音読ができる子がもらえる星のシールをもらえました。図書館のボニーに、星のシールをもらった報告をしに行くと…。ボニーもマディに嬉しいニュースがありました。その嬉しいニュースは、何だと思いますか?
それは、絵本を読んでからのお楽しみです。
この絵本のボニーのように、子どもが努力する時に、そばにいて黙って見守ると、子どもはどんどん努力することを実感しています。私は、何度音読をしても涙が出てしまう絵本です。
『わたしのそばで きいていて』は、このような方にお勧めします。
- 安心して練習をすると、結果はついてくることを親子で実感したい方
- ただただ励ますことの大切さを親子で感じたい方
- 子どもが努力している時に黙ってそばにいて見守りたい方
image by: Shutterstock.com