シダックスが「カラオケ館」に事業売却、業界勢力図はどうなる?

 

シダックスのクビを絞めたものは何か?

店舗数が多いカラオケチェーンを挙げてみましたが、こうしてみると、「低価格繁華街立地」を志向しているチェーンに勢いがあることがわかります。

まねきねことカラオケバンバン、ジャンボカラオケ広場は低価格を志向し勢力を伸ばしています。いずれのチェーンも、閉店したカラオケ店跡に居抜き出店するなどしてコストを抑えることで低価格を実現しています。

カラオケ事業は変動費(飲食に係る食材費など)の割合が小さく固定費(賃料など)の割合が大きいという特徴があります。固定費がレバレッジ(てこ)の役割を果たすため、客数の減少などにより減収になってしまうと利益が大幅に減少してしまいます。そのため、無駄なコストを削減することがより強く求められます。

そうしたなか、高価格を志向するシダックスは苦境に陥り、同じく高価格志向のコート・ダジュールは伸び悩んでいます。高価格志向の場合、それに見合うだけの付加価値が求められるわけですが、両チェーンは現状、価格に見合うだけの付加価値を提供することができておらず、コストだけがかさむだけで終わってしまっています。

たとえば、両チェーンとも豪華な飲食メニューを提供することを売りにしていますが、カラオケは所得が低い若年層が主要顧客層になるため、カラオケに豪勢な料理や飲み物を求める人がそう多くはなく、豪華な飲食メニューが付加価値になっていないという現実があります。

また、飲食メニューは提供に人手がかかるため人件費がかさみやすく食材の仕入れ費用もかかるため、高コスト体質になりがちです。そうしたことから料金を下げることの妨げとなっており、価格競争力を欠く要因となっています。機械化やメニューの絞り込みなどでコストを抑える必要があるといえるでしょう。

繁華街立地を志向しているチェーンも勢いがあります。ビッグエコーやジャンボカラオケ広場がそうでしょう。飲酒運転に対する規制が厳しくなったことで郊外型のカラオケチェーンに逆風が吹いた一方、繁華街型には追い風になっています。こうしたことから、従来は郊外立地を志向していたチェーンが近年繁華街に出店するケースが目立っています。

B&Vがシダックスを傘下に収めたことでにわかに注目が集まっているカラオケ業界。勢力争いが混沌としているなか、どのチェーンが覇権を握るのかに注目が集まります。

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東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。

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【著者】 佐藤昌司 【発行周期】 ほぼ日刊

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