なぜ、ファミリーマートは異業種の「ドンキ」の手を借りたのか?

 

ファミマとフィットネスが融合した「Fit&Go」の革新性

フィットネス併設店は、東京都大田区の東急池上線長原駅の近くに「Fit&Go 大田長原店」をオープン。同社としては初のフィットネス事業で、直営の店である。フィットネス利用者は30代、40代の男性が多く、コンビニのコアな利用者と年齢層が重なることから、フィットネスとコンビニを複合した店舗を開発した。

(夜)外観

店の立地は、駅の改札から徒歩23分ほどと近く、私鉄沿線らしい小さな商店街の一角で、背後に住宅街が広がっていることから選ばれた。長原駅の2016年の乗降客数は1日1万5944人で、池上線15駅あるうちの10番目と決して大きい駅ではなく、地域に密着した施設を目指している。

同店は1階がコンビニ、2階がフィットネスとなっている。フィットネスはガラス張りになっているので、外からトレーニングしている様子が見える。そのため開放感があり、女性でも入りやすい雰囲気を演出。男性ばかりでなく、女性にもっと気軽にフィットネスを利用してもらいたい狙いもある。

トレーニングイメージ㈪

入会金なし7900円(税抜)の比較的リーズナブルな価格24時間365日利用できる。

ジムの中にシャワーやパウダールームも設けてあって、実際に女性の会員が4割と高めになっている。通常のフィットネスでは、女性の比率が2~3割なのに対して、女性が多く集まってきているのは、「1階がコンビニで、いつも人が入っている安心感があるのではないか。見学に来て、そのまま会員になる人が多い」(篠崎氏)とコンビニとの相乗効果が出ている。

マシンは通常のジムにあるものが一通り揃っていて、体幹、体脂肪燃焼、筋トレ、ストレッチ、有酸素運動といったテーマごとにゾーンが分かれている。

内観㈭

使い方がわかるように、全てアプリが用意されているので、初心者でもスマートホンの画面にアプリを呼び出し、やり方をチェックしながらトレーニングを進めることができるのが大きな特徴。なお専用アプリは、日本唯一のアスリート専門パフォーマンス開発機関ドームアスリートハウスのパフォーマンスディレクターでジェネラルマネージャー・友岡和彦氏の監修を受けている。初心者から上級者まで、幅広い人のトレーニングをナビゲーションしている。

有料で予約制ではあるが、パーソナルトレーナーと1対1でセッションが受けられるサービスもある。

プール、エアロビクスなどのレッスンはなく、マシンに特化した施設となっている。

1階のファミリーマートの店舗では、通常の利用の他に、ジム利用の前後に弁当を買ったりドリンクを飲んだりするシーンを想定イートインを広めに取り、テーブル席も合わせて16席ほどを設けている。

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イートインではジムの帰りに立ち寄って、会員たちが交流する風景が見られ、コミュニティづくりの溜まり場として活用されている。

1階店舗フィットネス関連商品㈰

また、プロティン、ロイヤルゼリーなどのサプリの品数を多く揃えスポーツウエアも販売している。

ファミリーマートでは従来からライザップと提携した糖質コントロールをテーマとした健康食品を販売しているが、こういった商品群もフィットネス併設なら活きてくるだろう。

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