日本の企業は世界で一番ケチ
日本の企業の財務状況が悪く、人件費が上げられないという状況であれば、人件費が下がっても仕方ないかもしれません。が、日本の企業は、現在のところ世界でもっとも内部留保金をため込んでおり、お金は腐るほど持っているのです。
日本の企業は、バブル崩壊後、「国際競争力を高める」という建前のもと、賃金の上昇を抑えて、非正規雇用の割合を増やしてきました。しかも、バブル崩壊後の日本企業は、決して景気が悪かったわけではなく、高い収益率を維持してきました。
その結果、会社の中にお金が溜りこみ、内部留保金は400兆円に達しています。これは日本経済の倍以上の規模を持つ、アメリカよりも大きいものであり、断トツの世界一なのです。しかも、日本企業は、内部留保金を投資に回すことも少なく、現金預金で200兆円を持っているのです。
つまり、日本経済は、「バブル崩壊後も決して悪くはなかったのだけれど、金が企業の内部で滞留しているために国民のところまで流れてこず消費が増えない」「だからデフレで苦しんでいる」のです。
人件費を上げることがまず第一
さすがに政府も最近になってこのことに気づき、安倍首相などは、財界に賃金アップを働きかけたりもしています。だからここ数年では、若干、賃金も上がっています。
が、それでも、バブル崩壊以降に下がった分に比べると、焼け石に水という程度なのです。本気でデフレから脱却しようと思うのであれば、まず賃金の大幅アップをするべきなのです。少なくとも、他の先進国がこの20年間、行なってきた分の賃金上昇くらいはやらないと、到底、日本はデフレから脱却したりはできませんし、国民生活も良くはならないのです。
日銀がどれほど大規模な金融緩和をしても、「水道の元栓は全開にしているけれど、蛇口が錆びていて水が出ない」というような状況なのです。
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