遺族にビタ1文入らない。払い続けた厚生年金に裏切られるケース

 

ちなみに、この男性が学生時代に32ヶ月間が未納じゃなく、せめて免除期間とかだったら有効な年金記録が300ヶ月以上なので遺族厚生年金もセットで支給されてた。その32ヶ月間を満たしてるとした場合の年金総額は以下のようになっていた。

・遺族厚生年金→(38万円÷1,000×7.125×82ヶ月+45万円÷1,000×5.481×156ヶ月)÷4×3=(227,430円+384,776円)÷4×3=459,147円

だから、下の子が18歳年度末になるまでは遺族基礎年金に遺族厚生年金459,147円も支給される。

ちなみに、下の子が18歳年度末を迎えると遺族基礎年金自体が丸々消滅しますが、下の子が18歳年度末の翌月からは遺族厚生年金に中高齢寡婦加算584,500円(定額)が加算される。なぜ中高齢寡婦加算が支給されるかというと、この死亡した男性には240ヶ月以上の厚生年金期間があるから(240ヶ月ジャストでしたね^^;)。

よって、18歳年度末未満の子が居なくなったら妻には遺族厚生年金459,147円+中高齢寡婦加算584,500円=1,043,647円(月額86,970円)が支給される。中高齢寡婦加算は妻が65歳になるまでの加算。

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遺族厚生年金は再婚とかしなければ基本的に終身支給(妻の65歳以降の老齢厚生年金額によっては支給されなかったり金額が減る事もありますがこの記事では割愛)。

というわけで、遺族の為にも25年以上の期間は満たすようにしておいたほうがいいかな~といったところですね^^。

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
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