「定額時間外手当」を適当に設計すると、会社はこんなに痛い目に

 

大塚 「労働時間は?」

新米 「それが、1日12時間拘束で、休憩がうち1時間、休日は週に1日っていうシフト制なんです」

大塚 「1日12時間拘束? それは長いわね。それに、週26時間分の残業って何のこと?」

新米 「12時間から1時間引いて1日11時間。週1日休日だから、11時間×6=週66時間。66時間から週40時間を引いて、週26時間。そういうことなんでしょう」

大塚 「あ~ぁ、週26時間ってそういうことなのね! どう言う計算かと思ったわ」

新米 「週に66時間を超える時間外手当を別途支払うことについては、意義はないそうです」

大塚 「基本給が15分の8で、15分の7が定額時間外手当っていうことは周知されているのかなぁ…」

新米 「資料の実物までは、インターネット上でも見つけられなかったので、いろんなことの確認はできていないんですが、従業員側は、固定残業代の単価が明確でないと主張しています。昼間勤務のときも賃金総額が30万円で、夜間勤務に変更になっても賃金総額30万円は変わらなかったそうです。時間単価が一緒でも深夜勤務がはいると、賃金総額は普通は変わりますよね」

大塚 「普通は、そりゃそうだ。深夜勤務手当もらってないってことやね」

新米 「『超過勤務手当のどの部分が時間外割増賃金なのか、休日労働割増賃金なのか、深夜労働割増賃金なのかも不明確で、所定賃金と割増賃金部分が明確に区分されていたとはいえない』といわれています」

大塚 「うちの事務所も数年前から定額時間外手当を時間外割増賃金なのか、休日労働割増賃金なのか、深夜労働割増賃金なのか分けて行こうってなった根拠は、そういう判決が出て来たからだって所長から聞いていたけど、この事件も同じことね」

新米 「そうですね。こういうケースを勉強すると、分けていないと問題になるのがよくわかりますね」

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