なぜ串カツ田中は全席禁煙化でも「客数12%増」を実現できたのか

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2020年の受動喫煙防止法の施行に先駆け、今年6月1日より9割の店舗で禁煙に踏み切った串カツ田中。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんは先日掲載の「売上高4割増、好調『串カツ田中』が抱える全席禁煙化で失速の試練」で、「同社の試練克服手腕が問われる」としましたが、禁煙導入から3ヶ月、串カツ田中はどのような手を打ち、客数や売上はどう変化したのでしょうか。佐藤さんが自身の無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』で詳しく分析・紹介しています。

居酒屋串カツ田中が禁煙化後に客数が前年から12%も増えたワケ

6月1日から9割超の店舗で全席禁煙に踏み切った居酒屋チェーン串カツ田中」を展開する串カツ田中ホールディングスは9月5日、禁煙化して3カ月目となる8月の既存店売上高が前年同月比9.7%増と大幅な増収を達成したと発表しました。客数が大幅に増えたことで売上高を大きく押し上げたようです。

同社は禁煙化時、串カツ田中を約190店(現在は約210店)展開していましたが、業界に先駆けてそのほとんどの店舗で全席禁煙に踏み切ったことで話題を集めましたが、一方でそれにより客離れが起きる可能性があることを指摘されていたこともあり、その行方に注目が集まっていました。

実施から3カ月が経過し、同社は禁煙化後の既存店実績を公表しているのですが、それによると、客数は6月が2.2%増7月が4.1%増8月が12.1%増と3カ月連続でプラスだったと発表しています。ひとまずは、客離れに対する懸念が払拭されたといえそうです。

政府が閣議決定した改正健康増進法に対応するほか、喫煙を敬遠する家族客などを取り込みたいとの思惑から、串カツ田中はほぼ全店で全席禁煙に踏み切りました。業界に先駆けて禁煙化に踏み切ったことに対し称賛の声が上がった一方、長期的には客数を伸ばせる見込みがあるものの、喫煙者と相性が良い居酒屋業態ということもあり、何もしなければ短期的には客離れが起きるとの懸念の声も上がっていました。

全席禁煙を始めた6月は微妙な結果に終わっています。1~14日に、大半の店舗で多くの串カツが割引となる串カツ全品108円(税込み、以下同)キャンペーンを実施し、一部の店舗で好きな串カツ2本をプレゼントするキャンペーンを開催したほか、22~30日には全店でドリンク全品を216円に割り引くキャンペーンを実施したことが寄与し、客数が2.2%増えたものの、客単価が大幅に低下したため、売上高は2.9%減ってしまいました。

6月は従来と比べ家族客が大幅に増えた一方会社員・男性客が大幅に減ったといいます。全席禁煙により喫煙を嫌う家族客を取り込むことに成功しましたが、喫煙できないことを嫌った会社員・男性客が離反したとみられます。店舗従業員に実施したアンケートでは、「禁煙だからこそ来店するお客がいる」といった声があった一方、「禁煙になったと聞くと、日に1~4組が着席せずに帰る」といった声があったといいます。

6月はキャンペーンにより客数は増えたものの、低単価になりがちな子ども客が増えたほか、割引となるキャンペーンを実施したことで客単価が大幅に低下し、売上高を押し下げてしまっています。

7月は1~8日に大半の店舗で串カツ全品108円キャンペーンを実施し、一部の店舗ではドリンク全品216円キャンペーンを実施したことが奏功し、客単価はマイナスとなったものの、4.1%増だった客数がけん引し売上高は1.9%増のプラスとなっています。

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