なぜ「名入れタオル」は廃れたのか?業界関係者が明かすその理由

 

今や“いらない”を通り越して、巷であまり見かけなくなった「名入れタオル」。今回のメルマガ『j-fashion journal』では、著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、あえてこの「名入れタオル」をひと工夫して、売れる商品にするアイデアを紹介しています。

ポスト名入れタオル

1.名入れタオルが廃れた理由

名入れタオルとは、タオルに社名を印刷したタオルであり、昔は盆暮れの挨拶と共に配布された。

タオル以前は、手拭いが主流だったが、当時のタオルは、何枚あっても便利なものだった。トイレや台所の手拭き用に、入浴では浴用タオルとして使い、それを絞って湯上がりにも使う。最後は雑巾や靴磨きにも使われた。

便利な商品なので、そこに社名が入っていても誰も気にしなかったし、もらえば喜んだものだ。

しかし、バスタオルの誕生ブランドのついた高級ギフトタオルの普及などから名入れタオルは次第に使われなくなった。バブル崩壊後は虚礼廃止の風潮も強まり、挨拶周りとタオルの配布は姿を消することになった。

そうなってみると、品質が悪く、しかも広告が乗っているタオルなど、使う場所も見つからない。必然的に名入れタオル市場は縮小していったのである。

2.社名以外のコピーを入れる

他社の社名を飾ることに意味はない。しかし、飾っておきたい言葉もある。

例えば、様々な願掛けコピーが印刷してあったらどうだろうか。

例えば、「商売繁昌」「景気回復」。あるいは、「夫婦仲良く」「すくすく元気に」「元気健脚」など。

もちろん、英文字でも良い。シンボルマークとキャッチコピーを組み合わせれば様々なデザインが考えられる。

ある意味で、Tシャツに見られるデザインは全て使える。「IloveTOKYO」や「LOVE&PEACE」など。

観光地のお土産にも使えるだろう。昔、観光地で販売していたペナントのようなデザインのタオルならお土産ものになるのではないか。

インバウンドへの対応ならかっこいい四字熟語でも良いだろう。「百花繚乱」「明鏡止水」「疑心暗鬼」「一期一会」「満身創痍」などを入れたタオルである。

3.消しゴムハンコのタオル

名入れタオルの印刷の機械はとても面白い。ハンコを押すようにプリントするのである。名入れだから通常は文字を印刷するが、もちろん、イラストも印刷可能だ。

ある意味で、消しゴムハンコのような機械なのだ。ということで、消しゴムハンコが得意な柄は全て可能だ。通常は一色刷りだが、多色刷りも可能である。

消しゴムハンコのようなイラストをプリントすれば、観光地のお土産にもなり得る。昔、全国の観光地で売られていたペナントのようなデザインをタオルにすることで、新たなお土産グッズができる。

柄を入れる位置は、これまで通りにタオルの端にプリントするのが一般的だが、タオルを頭に巻くことを前提にすれば中心部に柄を入れるのも良いだろう。

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