議論のなかで、ある委員からは「レンタルCDのコピーが問題であれば、レンタルCDのパッケージに補償金を載せればいいのではないか。そうすれば、ユーザーは自分の好きなクリエイターを応援することができるし、ユーザーは補償金を理解した上で支払うようになる」と至極、まっとうな意見がでた。
しかし、これまで補償金を得てきた団体関係者からは「それはまかりならん」と否定。あくまでメーカーから回収すべきだという立場を崩さなかった。
スマホに補償金を載せるとなれば、音楽をコピーしないユーザーからも補償金を獲るということになる。それではあまりに不公平ではないか。
これまで、補償金を得てきた団体からすれば、新たな資金源を探そうと必死になるのは理解できなくもないが、あまりに暴論過ぎて空いた口が塞がらなかった。
ITのチカラによって、著作権は保護される方向にあるし、ストリーミングの普及により、音楽や映像の楽しみ方は変わりつつある。
例えば、民放番組の見逃し配信サービス「TVer」は、「CMがスキップできない」ということで、実は今後、期待されるサービスと言われている。
YouTubeに違法に配信されてしまっては、テレビ局にとって何のメリットもないが、TVerで広告をつけて配信すれば、ユーザーは早送りできず、しっかりとCMを見るようになるというわけだ。
また、radiko.jpも、地方のプロ野球中継や有名人の番組を聞きたいと、radikoプレミアムで月額350円の課金をする人が多く、ビジネス的に成功している。
もはや「配信で稼ぐ時代」になりつつあるなかで、「補償金を獲ってやろう」という発想は、もはや時代遅れであることに全く気がついていないのだろうか。
image by: Shutterstock.com