アメリカ、終わりの始まり。それでも中国とは距離を置くべき理由

 

日本と中国株は

日本も10月2日に2万4,448.07円と6年ぶりの高値を付けたが、10月12日に2万2,323円まで下げて、10月26日2万0,971円になり、2万1,000円割れになってしまったが、2万円割れになる可能性も出てきた。そして空売り比率が50%を超えて、こちらもインデックス売買が中心であり、NY株が落ちつかないと反転しないが、空売りなのでいつかは買い戻さないといけない。その時点は大幅上昇ということになる。NY株の動向を見て、底で買うことである。

日銀のETF買いが日経平均やトピックスを買い支える状況であり、海外勢の大幅な空売りは無謀である。累積で26兆円も日銀が買い、売らないので、株を支える効果は大きい。その上に年間6兆円も買っているので効果大。

上海総合指数は9月28日2,821ポイントで、10月19日2,449ポイントまで下げたが、その後、国家投資部隊が買い支えて、10月26日2,598ポイントまで戻している。暴落局面が終了した。上昇はないが大きな下落もない。下げれば、国家投資部隊が買い支えるようだ。

外で売り、内で買いと中国の行動はわかりやすい。この行為はドル売り人民元買いになるので、人民元安を止めていることにもなる。

しかし、NY株価下落でも円高にもならない。ドルが還流して、10年国債の金利も上がらないために、ドルが強くて円高にもならない。今、1ドル=112円前半~111円後半で推移している。

中国は人民元安に振って、米国の関税上昇を相殺する手段に出て、1ドル=7元の方向に誘導していると米国は言うが、実情は資金流出が起きてそれを必死に政府は買い支えているように見える。

このように新興国の通貨が下落しているので、世界に投資していたドル資金が還流するので、ドル安にもならない

米国の終わり

米国の内情は、ホームレスの数が増えていて、かつ、ローン残高も異常に増え、そして、信用格付けが甘くなり、個人のローン残高が限界を越えても貸し込んでいる状態である。そして、学生ローン残高の増加があり、若年層の消費が減っている。現在、債務残高は、2008年リーマンショク時より2倍も大きな規模になっている。いつか、その限界に達することになる。

国民の50%以上が貧困になり、中間層の没落が問題で、米国の力は確実に落ちている。米国は企業業績を上げるために、企業の減税などの恩恵を与えて、政治的に利益を積み上げているが、輸入物価の高騰で、それも尽きようとしている。

富裕層に続き、中間層の減税をトランプ大統領は言っているが、来年予算は、全省庁の予算を5%カットであり、軍事費も5%の削減と趣旨替えのようである。減税のために赤字幅が大きくなり、米国債の発行量が増加したことで、ドル資金の還流が終わると、長期金利が6%程度に上昇しかねないために、赤字を減らすために、予算規模を縮小せざるを得ないことによる。もし、金利上昇が起きると、スタブフレーションで不景気化のインフレとなり、収拾がつかなくなる。そろそろ意識し始めたようだ。

その米国では、INF条約破棄、トランスジェンダーの排除、トランプ支持者による民主党や反対者への爆弾送付など、話題に事欠かない。しかし、分断を進めて暴力主義を全面に出して、反対者を排除する方向に走り、徐々に米国で政府に反対する自由な発言もできなくなる危機が来ているようだ。

米国の価値観の崩壊という事態になっている。特にバノン氏は、暴力的なクーデターもあり得ると述べていて、不気味である。民主的な資本主義の崩壊になる可能性も感じる。

ピケティによると、企業の利益優先という矛盾を隠すために、中国という敵を作り、その敵に国民の目を逸らすようにしているというが、それにも一理あると見る。

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