なぜ同じ寿司屋でも、座敷よりカウンターで食べたほうが旨いのか

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一言で寿司と言っても、回転寿司から高級店までさまざまですよね。ただ、「美味しい寿司」と言われると、はて、どういうものなのか答えに困ってしまいませんか?今回の無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』では、食品安全のプロである著者の河岸宏和さんが、美味しい寿司の条件、美味しい寿司の食べ方を、食べるべき場所やタイミングなど、様々な角度から指南しています。

寿司のおいしい食べ方

握り寿司、巻き寿司とも寿司のシャリは温かい人肌の状態が一番美味しく感じるものです。人肌のシャリと、冷蔵管理で細菌が繁殖しないように温度管理されたネタを、職人が握ってくれます。

一流のお店に行くと、ネタも、注文を受けてから柵の状態から切って、しばらくまな板の上で温度を温めてから握ってくれます。事前に切られたネタは、おいしさの基であるドリップが出てしまってます。冷蔵ケースから出したばかりの冷たいネタは、冷たさを先に感じてしまい、ネタのおいしさを感じることができないものです。

握り方が違う

高級寿司屋さんの出前の寿司を食べても、さほど美味しく感じないことがあります。カウンターでは美味しいお寿司屋さんでも、宴会で食べると、美味しく感じないこともあります。

寿司は、美味しいご飯を食べるものだと私は思っています。美味しいご飯に、寿司酢を混ぜ、ネタ、海苔、醤油を食べて、口の中で最終調理を行っているものです。

食べるときに、ご飯が一粒ずつ口の中でバラバラになると美味しく食べることができます。家庭で作る、おにぎり、コンビニおにぎりを食べても、口の中でご飯を一粒ずつ感じることはできません。おにぎりの握り方と寿司の握り方は異なるのです。

カウンターで寿司を注文すると、目の前で握ってくれます。付け台に置かれた寿司は、すぐに食べることが必要です。寿司を置いた瞬間が一番美味しい時間です。お店によっては、直接手のひらに、寿司を置いてくれて、そのまま食べるパフォーマンスのお店もあります。

握ったあと、寿司桶に入れて、宴会場まで運ぶためには、握ったシャリが崩れないように少し強く握ります。お土産、出前の時には、宴会場よりも更に強く握り多少雑に運んでも、寿司が崩れないように握るものです。だんだん、おにぎりのように強く握る事が必要になってくるのです。

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