世界的エンジニアが警鐘を鳴らす、日本の自動車業界の暗い未来

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技術立国日本の国際競争力の低下を懸念し、最後の砦ともいえる自動車業界の未来にも不安を覚えた、ライターの「いのうえゆきひろ」さんがヒントを求めたのは、世界的エンジニア・中島聡さんが発行するメルマガ『週刊 Life is beautiful』でした。そこには、自動車が「所有するもの」から「乗り捨てるもの」へと変わるなど、社会の大きな変化とその対応への危惧が語られていました。

スマホや家電同様、自動車業界にも危機迫る

日本はヤバい。本当にヤバい。

十数年前まで、中国は後進国のイメージがあった。パクリ文化やいい加減な国民性を尻目に見下している部分があった。しかし2010年、人口10億越えの圧倒的なマンパワーによってGDPが追い抜かれてしまう。中国が世界第2位に、日本が世界第3位になってしまったのだ。今のところ日本が中国を追い抜く見込みはない

国際競争力の低下も挙げられる。まだスマホが登場する前、日本の携帯電話は世界初を連発した。世界初の着メロ、世界初のインターネットサービスとE-mail開始、世界初のカメラ内蔵携帯など、革新的な進化を遂げた。

しかし「ガラパゴス携帯」と揶揄されたように、スマホが登場して以降、Appleやサムスンに圧され、日本のスマホ勢は風前の灯の一歩手前だ。

同様のことが家電業界にも言える。かつて安く品質の良い製品を連発した日本のように、安く品質の良い海外勢の家電が日本の電機メーカーを追い詰めている。大企業だったシャープは倒産寸前のところで買収された。不適切会計を連発した東芝は今後が注目されている。

ただでさえ日本はこれから世界最強レベルの少子高齢社会に襲われるのに、これに加えて躍進を続ける強力な海外企業たちとも闘わなければならない。

今、日本に残されている最後の砦は自動車業界だ。しかし、実はこれも「スマホや家電業界と同じことが起きるのではないか?」と危惧されている。

現在、ガソリン車から電気自動車(EV)への転換を図る「EVシフト」が世界の主流だ。ところがこの流れに日本は乗り遅れてしまった。さらに最近ニュースでよく見かける「自動運転技術」も世界が一歩先を進んでいる。

自動車業界さえも陥落してしまったら、日本はどうすればいいのか。というより、この危機的状況を国民はどう考えているのだろう。何も考えずに生活していたある日、自分の会社が海外企業に買収され、キャリアが一変してしまう…なんてこともありうる。大企業シャープで起きたことが、あなたにも起きてしまうのだ。

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