中国で仕事する日本人が素直に感じた「このままだと日本ヤバい」

 

中国で働く日本人駐在員たちの情けない姿

打ち合わせでは、その方と話をさせてもらったのですが、とにかく判断と決断が早い

ヘッドハンティングされているため、結果を求められる。そして経営陣も日本人に期待をして雇用している。契約の一年一年が勝負なのでしょう。決めたことをバンバン推し進めてカイゼンを実行しているようでした。

費用に対しての決済権もある程度は任されているようで多少コストが掛かっても、問題が解決してその後の運営の判断が良くなるなら全く問題ない。次の訪問時は提案と見積もり、関係者との手配と、30分の打ち合わせでスピーディに話がまとまりました。

個人的にはこのスピード感覚は非常に好きですし、中国では大変大切なスキルだと思っています。日本の場合はどうしても担当者が自分一人で責任を負うことを嫌うために、他の関係者を巻き込み責任分散を行います。そして多くの打ち合わせ時間と提案書を繰り返し提出して、ようやく見積書を提出……。

「組織で動いている」のは解りますが、基本的に日本人のポジションは責任者で、現地企業の方向性を決めて、現地スタッフを導く立場にあります。そんな日本人たちが、たまに「これって○○さんが担当で」「いや、これって○○さんが」といった責任のパス回しを、我々の眼の前でしてくることもあります。

正直みっともないというか情けないというか、日本本社の代表として看板を背負ってきている立場の日本人が、中国人スタッフがいる場所でそんな無意味な責任逃れの話を始める。

組織の中で生き抜くために大切な処世術なのかも知れませんが、中国人スタッフからすると、どんな風に映っているのだろうと思ってしまう場合があります。昔に比べて海外駐在員の質が下がったと言われるのは、この辺も関係しているかも知れません。

また見積額が大きい場合は、中国現地法人では決済が降りず、日本本社で判断という事も多々あります。日本側を説得するために、プロジェクトが進むまでに半年や一年といった時間が経過してからスタートという場合もあります。

そうこうしている間に、元々の担当者だった日本人が帰任になり、次の担当者は前任者の案件だったのでと及び腰になり、引き継ぎされておらず分からないと、またイチから説明をしなければいけません。

できれば何事もなく、何事も変えず、何事も問題を起こさずに日本に帰任したい、という気持ちをお持ちの駐在員も少なくないのですが、この積み重ねが今後の日本企業と中華系企業の間における大きな差となっていくのでは無いでしょうか。

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