弁当は自炊より贅沢?そもそも無理がある消費税・軽減税率の矛盾

 

それこそ、「自炊」の場合でも、成城石井で買った松坂牛ですき焼きとか、豪華和牛で焼肉パーティーといったケースになれば、それこそ贅沢なわけであり、例えば、牛丼屋の定食メニューを外食するという行為と比較したら、そこには猛烈な逆転があるわけです。

つまり3つの順番として「自炊」「外食」「弁当」の順で「贅沢だ」という考え方も十分に成り立つというわけです。ただ、そうした議論に入っていくと、何を軽減したらいいか分からなくなるし、例えばですが、それこそ値段で区分するようにしたら、薄く広く課税するという消費税の定義に反してしまいます。

ですから、苦肉の策として弁当の場合では、「そこで食べるか?」を判定して、イエスという場合は10%にするが、持って帰って食べる場合は「ぜんぜん贅沢な消費ではない」ので8%にしておこうとなったのではないかと思われます。

そうではあるのですが、ただでさえ利幅が薄いために、人手も最低限で回しているコンビニの現場にこれ以上の負荷をかけるのはおかしいと思います。やはり「提供の仕方」で区別するというのは、どう考えても無理筋で、「モノで区別するというしか方法はないのではないか、そんなふうに思うのですがどうでしょうか?

そうなると、「コンビニ弁当に10%」ということになりますが、それでも何とか世論の理解を得るような持って行くやり方はないものでしょうか?

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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