弁当は自炊より贅沢?そもそも無理がある消費税・軽減税率の矛盾

 

全米には色々変な消費税ルールがあって、例えばカリフォルニアのある町では「テイクアウト飲料は課税だが、朝の一杯のコーヒーは非課税」とか、マサチューセッツなど大学の多い地区では「学生の買う本はゼロ」などと、ルールを複雑化させるという批判はある一方で、地域の個性を出そうとしているところがたくさんあります。こうした複雑化については、日本としては、あんまりマネしない方がいいと思います。

ただ、参考になるのは「モノで判断する」という考え方です。テイクアウトの食品はどうして課税なのかというと、モノは店内で外食として食べるモノと変わらないからです。サンドイッチもそうです。

問題は、現在検討されている日本の税制では「税率が10%になる外食」に狭い限定をかけて、モノは同じでも、「提供のしかた」が違うと8%にするという面倒なことをやっている点にあると思います。

既に議論になっていますが、コンビニで弁当を買うときに「イートインで食べるか?」を聞いて、「はい」なら10%、「いいえ」なら8%などという区別をするとか、弁当屋の前に弁当屋やその所属しているショッピングセンターの用意したベンチがあって、そこで食べる場合は10%だが、その弁当屋が公共の公園の前にあって、買った客が弁当屋と無関係の公園のベンチで食べる場合は、「自宅と変わらぬ持ち帰り」だから8%だなどというのは、制度として既に破綻していると思います。

勿論、そうした「複雑な回路」に入ってしまった理由は良く分かります。ニュージャージーなど、アメリカの多くの地区では、調理済み食品は、材料を買って自分で料理するよりは「贅沢」だからテイクアウトも課税するというのが、何となく受け入れられて定着しているわけです。

ですが、日本の場合は、「外食」「弁当」「自炊」を贅沢な順番で並べると、どう考えても「外食」「自炊」「弁当の順番になると思います。弁当の値段がデフレで据え置きになっているということもありますが、単身世帯が多い日本では、自炊の場合コスパが悪いということが重要な要素としてあるからです。

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