日産ゴーン会長逮捕。海外子会社に高級住宅を購入させた疑いも

2018.11.19
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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自動車大手の日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏(64)に、自らの報酬を過少に申告した疑いがあるとして、東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑でゴーン氏を逮捕した。

過少申告した金額は少なくとも50億円程度とみられている。

特捜部の発表によると、ゴーン氏とグレッグ・ケリー代表取締役の2人は共謀のうえで、2010-14年度の5年度分の有価証券報告書に、実際はゴーン会長の報酬が計約99億9800万円にもかかわらず、計約49億8700万円と過少に記載した疑いがある。

ゴーン会長に対する捜査をめぐっては、捜査に協力する見返りに刑事処分を軽減する司法取引制度が適用されたという。日産の社員が、ゴーン会長の不正について捜査に協力したとみられる。

また、20日の報道では、海外の子会社に高級住宅を購入させた疑いがあることも新たに判明している。ゴーン氏はこれらを無償で利用し、住宅の購入代金などは数十億円にのぼるとみられているが、有価証券報告書には報酬としては記載されていなかったという。これらを主導したのが、ケリー代表取締役で、社内の事務的な処理を指示していたとしている。

この報道を受けて日産自動車(横浜市)は、実際の報酬額よりも減額した金額を有価証券報告書に記載していたなどとして、ゴーン氏とケリー代表取締役について、「取締役会で解職を提案する」と発表した。

日産が公式ホームページで発表した正式なコメントは以下の通り。

当社代表取締役会長らによる重大な不正行為について

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)は、内部通報を受けて、数カ月間にわたり、当社代表取締役会長カルロス・ゴーン及び代表取締役グレッグ・ケリーを巡る不正行為について内部調査を行ってまいりました。
その結果、両名は、開示されるカルロス・ゴーンの報酬額を少なくするため、長年にわたり、実際の報酬額よりも減額した金額を有価証券報告書に記載していたことが判明いたしました。
そのほか、カルロス・ゴーンについては、当社の資金を私的に支出するなどの複数の重大な不正行為が認められ、グレッグ・ケリーがそれらに深く関与していることも判明しております。

当社は、これまで検察当局に情報を提供するとともに、当局の捜査に全面的に協力してまいりましたし、引き続き今後も協力してまいる所存です。

内部調査によって判明した重大な不正行為は、明らかに両名の取締役としての善管注意義務に違反するものでありますので、最高経営責任者において、カルロス・ゴーンの会長及び代表取締役の職を速やかに解くことを取締役会に提案いたします。また、グレッグ・ケリーについても、同様に、代表取締役の職を解くことを提案いたします。

このような事態に至り、株主の皆様をはじめとする関係者に多大なご迷惑とご心配をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます。早急にガバナンス、企業統治上の問題点の洗い出し、対策を進めてまいる所存であります。

以上

ゴーン氏は2000年から日産社長、01年から社長兼CEOとなり、05年からはルノー社長に就いた。2016年には三菱自動車会長にも就任している(随時更新)。

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by: Frederic Legrand – COMEO / Shutterstock.com 

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