中国人が狙ってる。日本人の大好きなポイントカードが今、危ない

 

ドラッグストアで発覚した不正の手口

たとえば今年の夏頃から、ドラッグストア業界最大手「ウエルシア薬局」ではレジ付近に、「モバイルTカードご利用のお客様へご協力願い」として、「モバイルTカード」での会計時、「Tカードの原本の提示を求めることがあり、提示できない場合はポイント利用決済を断る場合もあると、「モバイルTカード」不正防止の張り紙がしている店がある。

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店員によると、「モバイルTカードを使う外国人のお客様の中には、数万数十万ものポイントを一度に使う人がいて、不正に入手している疑いがあったからだ」とのことだった。

「Tカード」は言うまでもなく、書店やCD・DVDのレンタルショップ「TSUTAYA」チェーンを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が発行するポイントカードで、クレジット機能を持つカードもある。「モバイルTカード」アプリにアクセスしてユーザー登録を済ませると、スマートホンなどで使える「モバイルTカード」が発行され、「Tカードのポイントが共有化される。「ファミリーマート」、すかいらーくグループの「ガスト」などのレストラン、「洋服の青山」、大手家電量販店「エディオン」などでも「モバイルTカード」が使える。

Tカード利用の代名詞的存在のファミマ

Tカード利用の代名詞的存在とも言えるファミマ

「ウエルシア薬局」では戦略的にTカードを使って販売促進を行っている。購入額108円(税込)ごとに1ポイントを付与。毎週月曜はポイント2倍。毎月20日は200ポイント以上の利用で1.5倍の買物ができる。毎月15・16日はシニアズデーで65歳以上の顧客がポイント3倍。レジ袋不要な人は、エコポイントとして2ポイント付与。キャンペーン商品に通常よりも多くのポイントを付与、等々といった具合だ。不正が横行する前に見過ごせないのは当然である。

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「ウエルシア薬局」にこの件について問い合わせると、「警察に相談している案件のため、今の段階で答えられない」とのことで、捜査が進んでいることをにおわせた。

産経新聞の2017年7月10日の報道によると、「エディオン」の会員になりすまし、商品をだまし取ったとして、中国から帰化した大阪府在住の男ら3人が、大阪府警サイバー犯罪対策課に逮捕されている。3人は詐欺と不正アクセス禁止法違反の疑いがかけられた。

中国地方を中心に展開するエディオン(出典:エディオンホームページ)

中国地方を中心に展開するエディオン(出典:エディオンホームページ)

3人はインターネット決済できるデジタル会員になり済まし、少なくとも10人分のIDとパスワードを悪用してポイントで家電を購入。約41万円分のポイントが不正に使われたという。

「エディオン」のサーバーには16年12月に約2,400万回ログインが試みられ、大半が中国からのアクセスだった。大阪府警によれば、別のネット上のサービスのIDとパスワードが流出。文字や数字が同じ配列を使っていたものが悪用されたと判断しているとのことだ。

「エディオン」は「Tポイント」をはじめ、何種類かのポイントを選べるようになっており、この事件で「Tポイント」が悪用されたとは断定できない。だが、IDとパスワードを盗んで、そのままそのサイトに入るといった単純な手口ではなく、別のサイトと一致した人に狙いを定めて日中両国の住民で構成する少人数のグループを組んで攻撃する、パターンが見て取れる。

「Tカード」発行先のCCC広報によれば、「NTTドコモさんのdカード不正使用が問題になっていたので、セキュリティを高めた」とのことで、去る11月15日14時以降、「モバイルTカード」サイトにアクセスすると、本人確認画面が表示されるようになった。本人確認がない場合は使用できない

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モバイルTカード(出典:TSUTAYAホームページ)

画面の表示に従って、登録している「Tカード」の番号や生年月日を入力すると、本人確認が完了し、引き続き「モバイルTカード」が使えるようになる。2回目からのアクセスでは、本人確認は必要でなく、スムーズに「モバイルTカード」が使える。ただし、アプリを削除したり、ログアウトしたりといった場合は、再び本人確認をしなければならない。

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