北杜市いじめ事件で被害者を貶める、地元新聞の「忠犬」ぶり

 

ここからは北杜市いじめ事件について、被害家族が北杜市教育委員会に何を要望したのかを改めて質問したい

阿部 「そもそもに戻りますが、ご家族として何を市教委に要望したのですか?」

家族 「それについてはちょっと長くなりますが、まずはきちんと第三者委員会の委員が誰かを教えて欲しいということ。文部科学省の資料でも法でも、職能団体からの推薦理由などを求めているのでそれを教えてくださいということを言っています。公表しないという理由も具体的に教えてくださいと言いました。あとは、私たちは教育委員会の方々から第三者委員会の方々はよく知っている信頼できる人だからと言われました。だから、未だに重大事態だと認めていない教育委員会の影響を受けるということを心配しています」

阿部 「つまり、あの職業と所属があるだけの紙を見せて、この人たちはよく知る人で信頼できる人だから、名前は開かせないけど信頼して第三者委員会にGOサインを出してくれと言われたんですよね」

(北斗市教育委員会担当者が被害家族に示した第三者委員会の資料)

(北斗市教育委員会担当者が被害家族に示した第三者委員会の資料)

家族 「はい、そうです。だから、これでは何とも言えませんとなりました」
阿部 「当然だと思います。私が気になったのは、この問題に関わっている市教委側の指導主事の中に、問題のあった中学校の元教諭がいることです。人事交換で指導主事を拝命しているということですが、普通は関係者は外しますね」

家族 「知っています。もう何が何だかわかりません」

阿部 「文部科学省のガイドラインによれば、『調査組織については、公平性・中立性が確保された組織が客観的な事実認定を行うことができるよう構成すること。このため、弁護士、精神科医、学識経験者、心理・福祉の専門家等の専門的知識及び経験を有するものであって、当該いじめの事案の関係者と直接の人間関係又は特別の利害関係を有しない者(第三者)について、職能団体や大学、学会からの推薦等により参加を図るよう努めるものとする』とありますね。つまり、被害家族としては、このガイドライン通りにきちんとフェアにやってくださいねと頼んでいる。けれど、もう始めっから、中立公平なんていうのはない状態で、市教委に従わないのは悪ということで進んできた。実際、『次の手はどんな…』というメールの際は、文科省の指導が入っていて、仕組みとしては、文科は県教委(山梨県教育委員会)にしか指導が入れないから、県教委から市教委への指導ということで、文科省としては異例中の異例を北杜市教育委員会がやっているから、ちゃんとやって!と言いに言った、その時のメールですね」

(山梨県教育委員会担当者が北杜市教育委員会指導監に送ったメール)

(山梨県教育委員会担当者が北杜市教育委員会指導監に送ったメール)

家族 「とてもショックでした。ああ、やっぱり敵視されているんだなと思いました。それについては謝罪も何もありませんでした。理由すら聞いていません」

阿部 「それです。あのメール問題の際、すぐに記者会見しています。市教委は初めから、記者会見などでは頭を下げますが、被害者にも被害家族にも謝罪も何もしていないんですよね。記者会見で頭を下げるとまるで、被害側に頭を下げているように感じますが、あれは世間に向けて謝っているということで、被害者側だけが置き去りにされてしまう。他に要望したことはありますか?」

家族 「守秘義務です。なぜマスコミの方が知っていてそれを私たちが知らないのか。その情報は全て北杜市教育委員会から記者の方に渡された情報です。私たちには守秘義務を課すと言いますが、それってどうなんでしょう」

阿部 「本来公務員には守秘義務があります。これを破るのはダメですね。でも、破っていますよね、彼らは。全くもってして不可解極まりないですね」

家族 「自分たちのことを新聞で後から知るという状態です。何のために、メールで教育委員会の方とやり取りしたり、電話を受けたりしているのか、理解できなくなるときがあります」

阿部 「後から知ると、裏切られたような複雑な気持ちになりますね」

(続く)

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