地方選挙と国政選挙は事情が違います。国民党の大勝は「復活」とも報道されています。2年後に控える国政選挙(総統と立法委員の選挙)について、国民党と中国政府が手を組んで介入してくるという予想も少なくありません。
日本の地方首長も、無党派が主流となってきています。党派をもって国政選挙を読むのは難しい時代になってきているのかもしれません。民進党の改革路線が挫折すると、戦後以来の台湾の改革路線はとん挫するに違いありません。
核、エネルギー問題をはじめ、環境問題など、地方首長だけでは解決できない問題は実に多くあります。もちろん、政党や国家だけでも解決できません。蔡英文が断行した年金制度改革だけでも、政権安定に確実に響いています。
様々な問題をクリアしなければ台湾に未来はないとわかっていても、現実には問題解決は難しいものです。日本も、消費増税や憲法改正などの問題は山積しています。今回の選挙の結果を受けて、中国の台湾に対する圧力は強くなるに違いありませんが、では台湾の「民意」だけで台湾の未来を決めることはできるのかというと、それも難しいでしょう。
「九合一」選挙から新しい情勢を見る限り、古い政治リーダーの没落が顕著でした。2020年の国政選挙をめぐって、いったい誰が政治リーダーとしてふさわしいのかがこれからの課題です。若い世代が多く期待され、新しいタイプの政治スターが出てくる可能性もおおいにあります。
2年後のことを言うのは時期尚早かもしれませんが、来年からは各党派の指名や選出をしないと間に合わないという見方も少なくありません。台湾の内外情勢を鑑みて、蔡英文総統の2期目の当選は難しいという見方も多くあります。
では、蔡英文に代わって誰が有力候補となるのかというと、その名を挙げられるのは難しいでしょう。2年後、台湾政治を牽引するリーダーとなるべき人物は誰なのか、今の段階ではまだわかりません。もしも蔡英文が再選しなかったとしても、台湾が過去に後退するようなことになることだけは避けるべきなのです。
image by: 蔡英文 - Home | Facebook
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