がん保険のコマーシャルなどを目にすることは多いと思いますが、がん保険には本当に入るべきなのか、その必要性に疑問を感じる方も多いのではないでしょうか? がんを身近に感じていない方も多くいらっしゃると思います。
今回の記事では、『がんになる確率が高い今の時代入って当然』とも言われるがん保険の必要性について、解説していきたいと思います。
がん保険は本当に必要なのか
まず、がんを発症する確率や、がん保険の保障内容などから、本当にがん保険に入る必要性があるのかについて、解説していきます。
「がん」になる確率
生涯でがんに罹患する確率は、男性62%(2人に1人)、女性47%(2人に1人)。
部位 ※生涯がん罹患リスク(%) 何人に1人か 男性 女性 男性 女性 全がん 62% 47% 2人 2人 食道 2% 0.5% 44人 218人 胃 11% 5% 9人 19人 結腸 6% 5% 17人 18人 直腸 4% 2% 28人 48人 大腸 9% 8% 11人 13人 肝臓 3% 2% 29人 55人 胆のう・胆管 2% 2% 63人 64人 膵臓 2% 2% 42人 42人 肺 10% 5% 10人 22人 乳房(女性) 9% 11人 子宮 3% 33人 子宮頸部 1% 78人 子宮体部 2% 61人 卵巣 1% 82人 前立腺 9% 11人 悪性リンパ腫 2% 2% 50人 58人 白血病 0.9% 0.7% 106人 150人 ※生涯がん罹患リスク…ある年齢までにある病気と診断される確率
引用元:最新がん統計:[国立がん研究センター がん登録・統計]
国立がん研究センターが2014年に行った調査によると、男性女性ともに、将来2人に1人ががんになると発表されています。 夫婦で考えれば、夫と妻のどちらかは必ずがんになるということになりますね。この結果を見ると、がん保険に入る必要性は十分にあると考えられるかもしれません。
「がん」にかかった場合にかかる治療費の相場
がんにかかってしまった場合、いったいどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
実際にがんにかかると、下記のような様々な費用がかかってきます。
- 診察費用や手術費用
- 薬代や入院費用など、直接治療にかかるお金
- 通院のための交通費
- 食事代
- 日用品などのその他のお金
全日本病院協会の調査によると、下記の金額が一般的な相場とされています。
- 胃がん:約25万円
- 結腸がん:約28万円
- 直腸がん:約23万円
- 気管支炎がん、肺がん:約13万円
- 乳がん:約18万円
なお、これらは保険が適用された後の金額です。
がんによっては、先進医療を受けなくてはならない場合もあり、その場合はさらに金額がかさみます。入院日数が伸びればその分費用もかさみますが、だいたいの相場としてはこのようになっています。(参考:全日本病院協会 )
がん保険の保障内容
がん保険は、数多くの保険会社から商品が販売されているため、そのすべてを知ることは難しいでしょう。保険によってメリット・デメリットが異なり、1つの保険ですべてをまかなうことは難しい言われています。
そのため、ご自身に合った保険は専門家との相談のもとで決定することが賢明です。
以下では参考までに、がん保険の保障内容を3つに分けてご紹介していきます。
全ての保障をバランスよく抑える
入院給付金、診断給付金、退院療養給付金などのあらゆる保障をバランスよくカバーした保険であり、最もスタンダードなタイプです。
しかし、自分には必要のない保障もついてしまうことで、保険料が高額になってしまうこともあります。 必要な保障と必要のない保障をしっかりと選定し、取捨選択をすることが大切です。
【関連記事】毎月の保険料を節約する方法|保険加入の目的と見直しのタイミング
診断給付金に重きをおいた保障
がんの診断を受けた時に支払われる「診断給付金」に重きをおいた保障です。
突然がんの診断を受け、入院や手術が重なることで、多額のお金が発生してしまう場合もあります。日々の蓄えが少なければ、治療費などにお金をかけることが難しくなるかもしれません。
そんなとき、この保障をつけておくことで、がんと診断された時にまとまったお金が支給されるため、その後の治療に安心してお金をかけることが可能になります。
実際にかかった費用を保障する
がんの治療にかかった費用をそのまま保障するタイプの保険です。
治療費や入院費はもちろん、交通費や宿泊代、さらには健康保険適用外の治療費などもカバーされている、非常に幅の広い保障です。 その分保険料は高額になる可能性が高いですが、がんになった後の安心を得るには非常に優れた保障内容だと言えるでしょう。
公的保険制度でどこまでカバーできるのか
日本の公的保険はとても優れています。例えば、ほとんどの人の医療費は保険で3割負担となりますし、残りの7割は公的部分で賄われています。特に子供への医療費控除は手厚く、ほとんどの地域では小学校卒業まで、地域によっては高校卒業まで、医療費が無料となっています。
では、この公的保険制度で、がんにかかったときにどこまで賄えるのでしょうか。
実は、「公的保険制度があるのでがん保険には入る必要はない」という意見もあります。確かに、手術代や検査代、薬代などは公的保険制の対象になっています。ただし、最新の治療や新しい薬や機器を使った治療は対象外ですので、注意が必要です。
確定申告を行うことにより、事故負担になった高額療養費を請求できる制度もありすので、有効に活用するようにしましょう。
【関連記事】我が国の医療保険について |厚生労働省
がん保険は不要な人とは
ここまでがん保険の必要性について書いてきましたが、そもそもがん保険が必要のない人とはどのような人なのでしょうか?大きく2つのケースが挙げられます。
貯金や収入が十分にある人
まずは、貯金や収入が十分にある人です。
がんになってから治療費などの保障を受け取る必要はなく、自分でお金を支払うことが可能であれば、毎月一定額の保険料を支払い続けていく必要はないと言えるでしょう。
がん以外にも幅広い保障が欲しい人
2人に1人ががんになると言われている時代ですが、実際のところ、日本の死亡要因にはがんのほかに心疾患や肺炎も大きなものがあります。
したがって、がんだけではなくもっと幅広い保障を受けたいという方もいるでしょう。 そういった場合には、がん保険ではなく、医療保険に加入するようにしましょう。
医療保険では、がんを含む幅広い病気に対応して、保障を受け取ることができます。
【年代別】がんになる確率と保険料の相場
がん保険には、性別と年齢によって保険料に大きな差があるという特徴があります。これは罹患率が関係しています。
年代別のがんの罹患率を、下記にグラフで表します。
20代
罹患率…上表からもわかるように、男女ともに20代での罹患率はとても低いです。
保険料…こちらも低いですね。
男性→1,835円
女性→1,916円
30代
罹患率…女性の罹患率が徐々に上がってきます。
保険料…
男性→2,386円
女性→2,363円
40代
罹患率…男性の罹患率が徐々に上がってきます。
保険料…20代と比べて倍額になります。
男性→3,655円
女性→3,128円
50代
罹患率…男性の罹患率がぐっと上がる年代です。
保険料…こちらも男性の支払額が上がります。
男性→6,068円
女性→4,580円
60代
罹患率…50代に続き、男性の罹患率はますます上がります。
保険料…罹患率が上がるため保険料もとても高いです。
男性→13,468円
女性→8,573円
保険料参照…オリックス生命
がん保険のタイプ
がん保険には、『終身タイプ』『定期タイプ』の大きく2種類があります。それぞれメリット・デメリットはありますので、自分にはどちらが合うのか、しっかり見極めた上で選ぶようにしましょう。保険のプロに相談することも懸命です。
終身タイプ
更新がないので保険料は上がらず、保証は一生涯続きます。貯蓄型のものを選べば、月々の支払いの一部が貯蓄として財産になります。
【関連記事】終身保険を貯蓄目的で利用するなら早めの加入が良い理由とデメリット
定期タイプ
5年、10年など一定期間の保証を目的として一時的に加入する保険です。限られた期間の保証を目的としているので都度、見直しがしやすくなります。終身保険に比べて割安ではありますが、更新を重ねると高くなる場合もあります。なお、保険金は掛け捨てになります。
自分に「がん保険」が必要なのかプロに相談してみよう
がんは日本の死因の1位になっています。身近にがんになった人がいなくても、テレビニュースやがん保険のコマーシャルなどで、なんとなく気になっている、という人は多いと思います。
実際、がんは2人に1人がかかると言われているので他人ごとではありません。万が一がんにかかったときのために、保険に加入することは生活の安心材料になります。
しかし、がん保険は情報も商品もあふれているため、メリット・デメリットを比べながらご自身で保険会社を決めるのが難しい場合もあります。そんな場合は、プロに相談することをおすすめします。
保険コネクトでは安心して相談できる保険のプロをご紹介します。全国各地に優良の保険プロを配置していますのでお気軽にご相談ください。
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まとめ
がんになったときのことを考えると不安になりますが、保険加入により備えをしておくことで、お金の面での心配はなくしておきたいですよね。
生涯付き合っていく保険になりますので、しっかりと検討して納得したものに加入されることをおすすめします。