一流のアスリートの親といえば『巨人の星』の星一徹のようなスパルタタイプを連想する方も多いかと思いますが、実際はそうとは限らないようです。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、野球のイチロー選手やソフトボールの上野由岐子選手などの実例を挙げた上で、「子どもには主体的な人生を」と力説しています。
子どもが主体的な人生を送れるようにしてあげよう
子どもには、子ども自身の人生を生きる権利があります。親はその人生を少しの間預かって、お世話しているだけです。それも、一人の人間としてこの先を生きていくための土台となる、最も大事な時期を預かっているのです。
その大事な時期にいる子どもにとって親は環境そのものです。だからこそ、親がいいと思う人生や行動を押し付けるのではなく、子ども自身がやりたいと思っていることを大切にして、それを最大限に手助けしてあげることが親の務めなのです。
2008年の北京オリンピックで金メダルをとった女子ソフトボールチームの上野由岐子選手は、小さいころバレエを習わされていたそうです。お母さんがやらせたくて始めたのですが、レオタードを着せようとすると上野選手が大泣きして嫌がったため、お母さんはバレエを習わせるのをあきらめたそうです。
そこでお母さんが無理にバレエを続けさせていたら、上野選手はソフトボールをやっていなかったかもしれません。その後のピッチャーとしての上野選手の活躍もなかったかもしれないのです。
大リーガーのイチロー選手にしても、お父さんは一度も「野球をしろ」と言ったことはないそうです。野球を選んだのはイチロー選手自身で、それをお父さんが全面的にバックアップしてきたのです。
お父さんは「一朗がサッカーをやりたいと言っていたら、私も一緒にボールを蹴っていたでしょう」と話しています。子どものやりたいことを最優先して、全面的にそれをあと押ししてくれる存在がいたことが、現在のイチロー選手誕生につながったと言えます。