飲食業は儲けを考えて選ぶ商売ではない。利益を出すポイント3つ

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読者からのさまざまな質問に、人気コンサルの永江一石さんが回答してくれる『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』に今回寄せられたのは、開業準備中の飲食業の利益率の低さの悩みでした。永江さんは、構造的に「儲けを期待するのは難しい」としながらも、飲食で利益率を上げるための3つのポイントを解説しています。

利益率の高いビジネスとは何か

Q.
私は現在飲食店に勤務し、今後独立開業する予定の者です。飲食業開業を準備し、今感じる事は先行投資の費用が高い割に、利益率が低いので儲けるのが難しいということです。ネックは人件費と不動産賃料で利益が圧迫されるというところです。

永江様はこれから起業するとして、利益率の高い商売は何があると思われますか?ざっくりとした質問で申し訳ございません。

永江さんからの回答

飲食って実は最も起業数が多く最も倒産数が多い業種です。始めるのに敷居が低いかわり失敗する率も高い。基本的にはそんなに儲からないし、最初から儲けたくてやるなら仕込み含めて相当に練る必要があります。

参考:

【起業をマーケティングする 2】起業しやすい、しにくい業種と、成長するためには何歳までに起業すべき? – More Access! More Fun! %

利益率が高い商売は何かというのは、利益が出る構造を考えていくと自ずと分かるはずで、特に飲食・サービス業の利益率を決める要素は以下の3つに分けられます。

1.原価率が低いか

飲食業は言うまでもなく食材などを仕入れるのに売値の2~3割くらいは普通に原価がかかりますし、生鮮食品を仕入れてお客さんが来なかったら破棄しなければいけないのでその分のコストが重なります。開店時だけ知人のコネやチラシで集めてもそのあと客足が途絶えてすぐに閉店は、原価が毎日かかるからですね。

この点、酒中心のバーやスナックは腐るものではないので潰れにくいわけです。自分でボトルを買えば1杯百円以下で飲めるお酒を数百円~千円以上で提供しつつ、お酒は長期保存しても悪くならないので廃棄するのもおつまみくらいだからです。一番は人件費ですね。

2.回転率が高いか

お客さんの回転が速いとその分多数のお客さんが来られますが、滞在時間が長いと席が空かないため客数を確保できません。回転率が高い方が売上が伸ばしやすいです。特に単価の安いものは回転率が勝負です。安くて長っ尻の客を対象にすると利益率は最悪ですよね。

3.労働集約性

一人で作れる売上がいくらかが決まっている場合、売上を上げるにはその分人を雇う必要があるので利益率が上がりづらくなります。逆にサービスの単価や、一人が抱えられる客数を高く設定できると(労働集約性がないと)利益率は上がります。

美容院はこの典型で、大儲けはできないです。それはひとりが稼げる限界があるからです。カリスマになって高い技術料をとってアシスタントが実作業を担当するようになれば話は変わります。

労働集約型というのは、例えば美容院とかエステなどは身一つでできるので材料原価は低いですが、一人でやれる量が限られているため売上を上げようとすると人を増やす費用が生じて利益率は高くなりません。

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