「三つ子の魂百まで」「産屋の癖は八十まで」「漆剥げても生地は剥げぬ」などなど上げればきりがないほど、持って生まれた資質や苦手なことはちょっとやそっとでは変わらないと言われています。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、「子供のうちなら苦手を直せる」は大人の勝手な思い込みであり、数々の不幸を生んでいると記しています。
「子どものうちなら直る」は嘘。子どもは苦手なことを直すのが苦手
親はつねに我が子の短所を嘆きます。
うちの子はだらしがなくて困る。マイペースで何をやるにも遅い。やりたいことはやるけど嫌なことは後回しだ。片づけが苦手で整理整頓ができない。引っ込み思案であいさつもできない。
同時に、次のようにも思います。
大人になってからでは直らない。子どものうちに直さなければ。子どのうちなら苦手なことも直るだろう。
はるか昔から世界中の親や先生たちが、このように「子どものうちなら直る」と思ってきました。でも、これは人類の大人たちの長年にわたる勝手な思い込みであり、集団的な勘違いだったのです。
実は、子どもは自分の苦手を直すのが苦手です!はっきり言うと、子どもは自分を変えること、つまり自己改造ということがほとんどできません。
子どもは新しいものを吸収するのは得意だが…
なぜ人類はそう思い込んでしまったのでしょうか?それは次のような理由からです。
例えば、子どもが囲碁を習えば、どんどん覚えてめきめき強くなります。一輪車の練習をすればけっこうはやく乗れるようになります。ソロバンの習得もはやいし、九九もあっという間に言えるようになります。親子でどこか外国に行って住むようになれば、その国の言葉をどんどん覚えます。
こういったことは、子どもはすごくはやいです。大人が逆立ちしても敵わない、まさに驚異的な能力を発揮します。なぜなら、子どもの脳は乾いたスポンジのようなもので、吸収力が抜群だからです。新しいものを入れればどんどん入るのです。大人たちは、そのような子どもの姿を目の当たりにして、「だから、子どものうちなら苦手なことも直るだろう」と思い込んでしまったのです。
でも、本当はこの2つは全く別の事柄だったのです。苦手なことを直すというのは、新しいものを吸収することではありません。もうすでに別のものが入っているのです。つまり、もって生まれた資質というものがあるのです。
ですから、これはもって生まれた資質をつくりかえるということであり、自己改造するということなのです。単純に新しいものを吸収するということとはわけが違います。