武田教授が警鐘。島国日本の良さを消す「英語必修化」の大間違い

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2020年度から、小学校でも英語の授業が必修となりますが、これによって、日本の良さ、特に科学技術の分野における才能の芽を摘むことになると嘆くのは、中部大学教授の武田邦彦先生です。メルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』で、武田先生が明らかにしたのは、多くの学生が英語を勉強し始めると、機械や物理の成績が落ちてしまうという経験でした。日本が島国で外国との付き合いは一部の人でよかったということが日本の良さを生んだ、そのことに思い至らない教育関係の官僚や研究者に、この警鐘は届くのでしょうか?

英語教育への注力で、日本の技術レベルが下がる

先日、あるところで、とても重要なことを議論して、大いに興味がわきました。それは、教育と頭脳の発達の問題で、少しこのシリーズとは趣旨が違うのですが、これからの日本の繁栄に大きな影響があると思いますので、あえて「日本人」という括りで整理してみたいと思います。

まずは具体例をまとめてみます。

2歳、3歳ごろの幼児を教育する時に、「お絵描き」をさせるか「日本語を勉強」させるかによって大きくその能力が変わるということです。普通に育ててある年齢までお絵描きなどをした場合と、お母さんが勉強させて早いうちから日本語や文字を勉強させる場合と比較すると、幼稚園で絵をかきなさいと言われると、普通の子は一所懸命になって絵を書くのですが、日本語を早く学ばせた幼児はまったく絵を書くことができず、「ミカンの絵を書きなさい」と言われると、絵が描けないので「みかん」と文字で書くというのです。

また、脳の領域では、「絵や図形をそのまま記憶する映像記憶の領域」と「文字やコミュニケーションの領域」が重なっているというのです。つまり、画家のように「絵や映像」に特殊な才能を持った人は言葉を話せなかったり、コミュニケーションが下手だったりし、そのような人が言葉を学ぶとすっかり絵がダメになるということも言われていました。

私はこのような一連のことを聞きながら、「英語を勉強させると機械や物理の力が落ちる」という経験を思い出しました。

大学を卒業して物理や機械方面に進んだ学生は英語の論文を書いたり、時には海外にでて学会で英語での発表をすることが求められています。そこで先生としては学生に英語を学ばせるのですが、どうみても英語を学び始めると機械や物理の成績(考え)が悪くなるのです。

また、一般的に女性は男性に比べて英語もコミュニケーションも素晴らしいのですが、世界のレベルを超える研究(機械や電気)はむつかしいのです。これに対してオタクと言われる無口な男子学生は素晴らしい能力を発揮します。

私は現在の英語教育、つまり小学校の時代から「英語は必須科目だ」と誰もが勉強しなければならないのは大きな誤りと思っています。日本が貿易立国になり、これほど繁栄してきたのは、昔なら日露戦争、最近ではパナソニックやトヨタの成功のように、「機械、電気の技術者のレベル」というのがとんでもなく高かったことによります。

それを一部の文科系の人がよく考えずに「コミュニケーションが必要だ」などといって英語教育を強化したのですが、その結果は日本の競争力を弱め、私たちの子供は貧乏を強いられるでしょう。

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