温暖化も貧困国の飢餓も過度な肉食が招く?畜産の不都合な真実

 

畜産による温暖化~畜産の不都合な真実

地球温暖化で世界の人々の健康状態は悪化しています。夏の熱中症で多くの人々が死亡しています。豪雨や台風などからの攻撃による氾濫や洪水、土砂崩れなどの災害で多数の人々が死亡しています。生態系の変化により蚊やマダニなどが増え、これらによる感染症が増えています。デング熱やリケッチア症などです。また、低所得国では飢饉で死亡しています。

実は、地球温暖化で見逃されている一大要因に畜産があります。人間に起因するメタン排出のうち約40%は家畜から発生しているのです。メタンガスにはCO2の21倍の強力な温暖化効果があります。牛などの消化器からのメタン発酵や糞尿管理によって、1億トン以上のメタンが家畜から排出されています。これはCO2換算値で約24億トンに匹敵します。家畜、特に牛から排出されるメタンガスは一日に200リットルにもなります。これはゲップとしてです。たかが牛のゲップですが、不都合なゲップです。

家畜を飼育するためには人間の約10倍の餌が必要です。肉1kgを生産するには飼料用穀物が、牛肉で11kg、豚肉では7kg、鶏肉では3kg必要です。消費する水分も、1kgの小麦のために必要な水の200倍以上の水の量が、1kgの牛肉を生産するために必要です。地球上の飢餓人口は約10億人です。その多くは低所得国の人々です。高所得国や中所得国の人々が動物の肉を大量に食べている状況で、穀物は低所得国の人々には渡らず、その多くが家畜の餌となっています。世界中の人々の健康のためにも植物を中心とした食生活をお勧めします。

文献

Sun Y, et al. Association of fried food consumption with all cause, cardiovascular, and cancer mortality: prospective cohort study. BMJ. 2019 Jan 23;364:k5420.

image by: Anna Grishenko, shutterstock.com

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