実際、脳科学においても、こういった「同定」や「印象の更新」が行われる際には脳が活性化することが分かっている。人間は、少なくてもその脳は、昔見たものをもう一度認識することが好きなようである。そして同時に、昔見たものに初めてを感じることも好きなのである。
因みに、前者を錯覚的に感じたものが所謂「デジャヴ」である。「前に見た気がする」というあれである。そして、後者を錯覚的に感じたものが「ジャメヴ」である。「初めて見た気がする」というあれである。
このような錯覚が誰にでも普通に起こり得るということは、そういった感覚回路が脳内に既に用意されていることを意味している。もっと言えば、我々の脳はいつでも「同定」と「印象の更新」を待っているのである。
旅の魅力が非日常にあるなら、こうした「revisit」体験によっていつになくテンションが上がることもまたそれに当たるであろう。
だから「前に行ったことがある」から「行かない」と消極的に連想するのではなく、寧ろ「前に行ったことがある」からこそ「また行く」と積極的に考えてはどうだろうか。きっちりスケジュールよりノープランを好む、横着な私からの(ちょっとこじつけ的な)旅の提案である。
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