管理組合が火災保険の「付保割合」を知らないマンションは危険

 

管理会社の実情をよく知る人が言います。

「管理会社は企業だから、売上、利益を上げるのが目的なので、管理組合側が無関心なのに、あえて、自分たちの売り上げを減らすような提案はしないと思った方がいい。わざと付保割合の数字を議案書ではわからないようにしていることもある。理事だけなら、適当に丸め込めても、組合員全員となると、その中には、保険会社勤務の人もいて、突っ込まれると面倒だから」…と。

「でも、自立した運営をしている管理組合の理事さんは、うちの管理会社はしっかり情報公開した資料をつくってくるよ。組合員の中には、それぞれの分野のプロがいるから、管理組合に不利益な情報を隠していると思われると、管理会社が信用を無くし、リプレースに繋がりかねないから…」と言います。

管理会社も、結局、相手を見て対応の仕方を変えているのが実情なのでしょう。

しかし、保険でいくら儲けても、大規模修繕工事もできないような状況だと、管理会社だって困るでしょう…というと、「もう、管理会社は、その管理組合を捨てるタイミングをみているのかも。大規模修繕工事もできない高経年マンションは、そのうち、管理会社にも保険会社にも捨てられる」…とリアルでショックな発言が…。

でも、現実にそうなったときに、「これまで、管理会社に任せて何でも言う通りやってきたのに管理をやめるなんて酷いじゃないか…。これまで、無駄な付保割合100%の保険料を払い続けてきたのに、ここで引き受けないなんて酷いじゃないか…」といっても、管理会社も保険会社も取り合わないでしょう。

自分たちの無関心は、管理会社に都合がいいようにやっても大丈夫いう免罪符を与え、限られた情報しか与えられず、結局、無駄なことにお金を垂れ流すことになる。突然、大幅にお金が不足することを知らされ、修繕積立金の大幅値上げを迫られる。そして、その合意形成ができなければ、管理会社にも保険会社にも見限られる…

そんなことが、これから起きてくるのでは…という話になりました。

皆さんのマンションの火災保険(マンション総合保険)の付保割合は何%ですか?もし、知らないな~ということなら、議案書を見て確認してください。議案書で確認できないようなら…理事に聞いてください。理事が何のことは分からず答えられないようなら、それはかなりの要注意です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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