NYを毎日2万歩も歩いて判ったAmazon「O2O戦略」の巧みさ

 

ネット通販のアマゾンは、なぜリアル店舗を出すのか?

今回は、アマゾン4スターズという、アマゾンの売れ筋商品を集めたショップができたのでいってみた。場所は、ニューヨークで人気のSOHOというエリアの、比較的中心にあった。

店内には、ネットでのアマゾンの売れ筋商品が、ところ狭しと並べてある。消費者にしてみれば、あのアマゾンでの売れ筋商品、ランキングにある商品がここに並べられているので、メーカーではなく、ユーザー目線で、世の中でヒットしているものを見られると考えるだろう。

すなわち、消費者が買いに来る、いわゆる来店の明確な理由がある。一方で、アマゾンはアマゾンブックスという、リアル店舗も持っている。

ニューヨークに2店舗ある、アマゾンブックスと、アマゾン4Starsとの大きな違いは、書籍の割合が少ないこと。逆に言うと、アマゾン4Starsでは、日用雑貨や家電、消費財などのカテゴリーの商品が大半だ。その点でも、アマゾンブックスとの住み分けがしっかりとできている、と言えそうだ。

アマゾンブックスと共通していて、ここでも目立ったのが、AIスピーカーのアレクサと、電子書籍リーダーのKindleが多く並べられていたこと。これこそが、アマゾンがアレクサとKindleを、PCとスマホに続く新たな販路とし、消費者を囲い込んでいこうという明快な戦略だと言える。

これらの「ハード」をリアルで体験させ、ユーザーが買えば、あとは自動販売機のように、アマゾンの電子書籍や、サービスを購入することになる。

リアル店舗ではあるのだが、アマゾン得意のリピート商材、おすすめによる顧客維持の姿勢が、ここでも保たれているのだ。

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