現役アナウンサーが教える、話を3分間でスッキリ話すためのコツ

 

どういう話をどのぐらいの時間で話せばいいか?

そしてこのような、今から自分が話す内容を「枠として捉える」発想ができるようになるための、ひとつの切り口が、「話の枠を時間で意識する」方法です。

先日の記事でも少し触れましたが、私のようなアナウンサーが、突然の生放送で、〇〇についての現場の状況を3分で伝えなければならなくなった時。その時に考えるべきなのは、現場にあふれている情報を3分にまとめることではなく、この話にどういう要素が必要か、ということです。

例えば、事件や事故、災害などの現場であれば、

  • 現場の状況を説明しますと…
  • 現在こうなっているこれまでの経緯はと言いますと…
  • 特徴的なのは(象徴的なのは、ポイントは…)
  • なぜそうなったのかと言うと…
  • 今後どういう影響が考えられるかというと…
  • 改善法など自分たちへのフィードバックの話、締め

このぐらいの内容になるでしょう。

わかりやすいよう、同じ箇条書きにするにしても、話し言葉を続けやすい「導入の言葉」で表現しました。「原因」などと箇条書きにしておくより、「なぜそうなったのかと言うと…」にした方が、次の言葉がつながるからです。

(この「導入の言葉」については、これまでの記事でも再三お伝えしてきましたので、ここでは詳細は説明しませんが、書き言葉で認識してしまうと、改めて話し言葉に変換するロスが生じることが多くなります。この例での、「原因」と「なぜそうなったかと言うと…」の間では、それほどロスはないと思いますが、話の段取りをスムーズに進めたいのであれば、こういう話し言葉の習慣も、わりと大事だったりします。)

このような話の要素は、この現場で伝える人から、聞き手が聞きたいであろうことは何か?求められている話は何であり、その話を成立させるために必要なことは何か?という枠の側から固めるからこそ、話す直前でもパパっと話すことが決められるわけです。

そして、このような項目をあらかじめ固められるからこそ、既に知っていること、言えることの無駄な詮索を省いて、知らないこと、話に必要な情報収集のための取材に注力できるわけですね。

上記の例で言えば、現場の状況は、見れば、言葉に変えられます。これまでの経緯は、話を聞く必要がありますが、事実なのですぐにわかることです。

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