いじめ被害者を加害者の如く扱った、北杜市という絶望的な魔都

 

まとめ

北杜市市長は元体育教師であったそうだ。教育者出身であれば、いじめについての知識も経験もあろうと思うが、良い表現で言っても、この杜撰な対応はいただけない。

いじめの主体であった加害者の父親は被害者をネットで誹謗中傷し、刑事事件化して書類送検され、大々的に報道され、予算までしっかり組まれた第三者委員会は、ガイドラインに沿わない合意なき第三者委員会であった。

地元住人の中には傍観する者が多くいるが、被害者側が被害を訴えたことを疎ましく思うグループがあり、主たるいじめ加害者家族同様にネットや住民の噂の範囲で被害者家族について誹謗中傷する行為は未だに続いている。

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教育委員会は隠蔽をし、閉鎖的でガイドラインにも従わない、学校は隠蔽する。地域的にもいじめ被害者をまるで加害者のように扱うということでは、北杜市でのいじめ対策は絶望的と言わざるを得ない。

編集後記

大人がいじめ対応に真剣に取り組むというのは、今やいじめ予防の世界では当たり前の前提事項になっています。文科省のガイドラインについては、これを遵守するのが当然であり、遵守しないことはその教育委員会が所管する地域では、異常な教育自治が行われていると判断されます。

北杜市のケースでは、異常であるとしか判断しようがないのです。

また一方で、合意なき第三者委員会を恰も合意があるように見せかけて予算を通してしまったというのは、税金投入という観点から市民に対する背任行為と言って過言ではないはずです。

市民は怒って良いと思うのです。

一方で、このような異常な教育自治は実は色々な地域で存在しています。その地域で、いくら証拠を取っても無駄なのです。学校も教育委員会も、似非の第三者委員会も、真実に向き合おうとはしませんから。

そろそろ、国レベルで「いじめ対策」について本気で話し合い、本気で取り組まなければならないように「いじめ防止対策推進法」を見直しませんか(馳浩さんが座長で超党派の国会議員が法改正を目指していることは知っています)?

経済も外交も大事だと思いますが、子どもの命に直結するいじめ問題も重要だと思うのです。まあ、国会はセレモニーですから期待するだけ無駄かもしれませんが。一縷の望みとして…。

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image by: Shutterstock.com

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社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
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