「加速の罠」にハマった平成の30年間。日本人は幸せだったのか?

 

このメカニズムは「The Acceleration Trap=加速の罠」と呼ばれ、ザンク・ガレン大学教授のハイケ・ブルック教授らは、「スピード重視の文化は、長期的には企業業績の悪化を招く」と警鐘を鳴らしました。

「加速の罠」がいかに人のエネルギーを奪うかは、“KAROUSHIが世界的に広まっていることからも明らかです。フランス、イタリア、韓国などでも職場のストレスによるうつ病や過労による自殺などが増えているとされているのです。

「加速の罠」から脱却するには、企業は戦略を絞り不要不急の仕事を中止し高すぎる目標を緩め休息期間を導入する措置をとることが不可欠です。

しかしながら、ネズミとりをする警察もいなけりゃ、オービスもないので、法定速度(=人間の適正速度)をオーバーしているという認識が持てず、「加速の罠」にはまり続けてしまいがちなのです。

おまけに、社員の中には猛スピードに耐えられる能力を持った人もいるため、経営者はスピード狂のマネジャーを重宝し、そのマッチョさがやがてスタンダードに…それがまさに平成時代」だったと思えてなりません。

令和はもうちょっとだけスピードダウンしたらいいなぁ、と願いつつ。平成最後の「裏返しメガネ」はこれにておしまい!

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※『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』(2019年4月24日号)より一部抜粋

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