女子中学生の飛び降り自殺をいじめと認めぬ、名古屋市の深い闇

 

ブラック部活

例えば、インフルエンザで1週間、部活を休んだとする。

すると、最低でも21周走らなければいけないというのが部の裏の決まりであった。

1年生は水以外飲んではダメ。どんな状況であっても、先輩より先に先輩を見つけ挨拶しなければならない。などなど、ソフトテニス部にはいくつもの裏の決まりがあった

こうしたブラック化した部活の状況は、付属機関もよく調べて、その異常性を指摘している。

そもそも裏の決まりがあるということが問題なのだが、顧問らは当然、こうしたことがあることを知っていた。ところが、当時の顧問らは、遺族が指摘しても、「そんなものはありません」と裏の決まりが書かれたメモが出てくるまで否定し続けていた

結果的に、証拠が出たことで顧問らは裏の決まりがあったことを仕方なく認めているが、証拠がなければ、一切喝采を認めなかったであろう。

河村市長の対応

河村市長は、自死事件が起きてしばらく経ってから、必ず行って話をすると遺族に約束していたが、色々あって伺うことはできないと人伝てで反故にしている

彼らしくない不誠実な対応をしたことになるが、4月14日以降の報道で、河村市長は「遺族とよく話してから、(遺族側が要望している本物の第三者委員会による再調査をするかどうかは)決める」とコメントした。

河村市長はいじめの予防対応については、「子ども応援委員会」なるものを作り、各校に専門家を配置するなどいじめ予防については画期的な仕組みを全国に率先して導入してきた。

ところが、教育委員会常設の付属機関を「第三者委員会」扱いするようでは、仕組みは素晴らしくても、結果それが学校や教育委員会の不都合を隠すために利用されてしまうのでは、せっかくの仕組みも「絵に描いた餅」に過ぎない状態になってしまう。

専門家を各校に配置してどんな実績があったのだろうか。仕組みはしっかり運用されているのであろうか。絵に描いた餅ならば、幾つもの委員に名を連ね、まるで名義貸しをしているような者はいないのかよくよくチェックし排除すべきだろう。

河村市長は私の同志である教育関係者のところまできて、名古屋市の教育界の壁が厚いことや子ども達への思いを語ったという話を聞いたことがある。そこまで志のある男が、真摯に対応すべきこの問題を一度約束を反故にしてしまった。その上、ここにきて尻込みしているようでは話にならないと言わざるを得ない

子供の命を守るんだろ?こんな杜撰な調査を公式にしていいはずはない。

見直すべき異常な事態が起きていると認識すべきであろう。

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